2025年の東京における基準地価の動向
2025年9月に発表された最新の全国基準地価格をもとに、東京の基準地価についての詳細な分析が行われました。この調査は、株式会社グローバル・リンク・マネジメント(GLM)が主催する「グローバル都市不動産研究所」によるもので、同研究所は東京の不動産事情を国内外へ発信することを目的に設立されました。
全国の基準地価の一般的な動向
全国の基準地価は前年比で平均1.5%の上昇を記録しており、これはバブル期以降では最高の上昇率です。特に三大都市圏においてはさらに顕著な上昇が見られ、東京圏では商業地で8.7%、住宅地で3.9%上昇しました。これにより東京は商業需要やオフィス需要の増加に支えられて著しい地価の上昇基調が伺えます。
東京都内の基準地価の変化
東京における基準地価の動向は、都心部を中心に極めて活発です。特に2013年以降、商業地や住宅地ともに安定した上昇を続け、2025年には商業地で13.2%、住宅地で8.3%という大幅な上昇が記録されました。この動きは、コロナ禍からの回復と、国内外からの観光客の増加による影響が色濃く表れています。
一方で、2025年後半期のデータでは、前半期と比較して上昇スピードがやや落ちついており、主要なトレンドとしてはピークアウトが示唆されています。
東京23区の詳細な分析
東京の23区内での基準地価の動向では、商業地の上昇率が特に台東区、中央区、千代田区などで顕著であり、これらの地区では18区が10%以上の上昇を記録しています。特に台東区では18.2%の上昇が見られ、その背景には観光需要や再開発が影響しています。
住宅地についても同様にすべての区で上昇が見られ、特に港区や目黒区、新宿区などでは13.7%を記録しています。このように、都心部およびその周辺区における需要の高まりが地価を押し上げています。しかし、更に外縁部では地価の上昇が比較的緩慢であり、葛飾区や江戸川区では5%前後の上昇にとどまっています。この二極分化の傾向は今後も続くと予想されます。
新築マンション市況の現状
最近の東京23区の新築マンション市場は、2025年上半期において平均価格が1億3,064万円、単価が201.5万円を記録しています。しかし、供給戸数は減少傾向にあり、これが価格高騰の一因と思われます。資材費の高騰と人手不足を背景に、都心部での新築マンション供給は厳格化しており、立地の良い場所に限られる傾向が強まっています。
市場の動向を鑑みると、土地の価格が高騰する中で東京都心部の住宅需要が高いことから、地価の上昇が続くことは明らかです。特に新しい住宅供給の少なさは、既存の物件の価値をさらに高める要因と考えられます。
まとめ
2025年の東京基準地価の動向は、これまで以上に活発であり、都心部における上昇が特に目立つ結果となっています。しかし、ピークアウトの兆しも見え隠れしており、今後の地価の動向に注目が集まります。今後の市場の変化と、地価の動向がどのような影響を与えるか、注意深く見守る必要があります。