アーティスト米村優人の個展「絶交(welcome!)」
現在、京都 蔦屋書店にてアーティスト・米村優人の展示「絶交(welcome!)」が開催されています。この展示では、米村が約2年間にわたり自身の個人的経験を基に制作した立体作品「baloneシリーズ」の3点を紹介。展示は、京都髙島屋S.C.の6階に位置するアートショーケースで行われており、観覧は無料です。
彫刻と超人像の再解釈
米村優人は、神話上の神々や自身の経験に基づく個別の人物への関心をテーマに彫刻作品を手掛けるアーティストです。彼は、幼少期からのアニメや特撮ヒーロー、ロボットフィギュアに強く惹かれることで、アートの道を歩んできました。特に「超人像」と名付けた一連の作品は、近代彫刻の枠にとらわれず、個人の内面に迫る試みがなされています。
今回の展示タイトル「絶交(welcome!)」には、米村の独特な視点が表れています。各作品は、特定の個人や出来事に焦点を当てていますが、それぞれは直接的に結びついていない点が特徴です。ただし、これらの出来事は米村が生きてきた日々の一部であり、それにより彼の彫刻が生まれたのです。
baloneシリーズの作品
展示中の作品群は「baloneシリーズ」と呼ばれ、昨年の自身の個展「BAROM」(京都市京セラ美術館)と「alone」という言葉を組み合わせて名付けられました。この名称は、何かと接続したいという思いがある一方で、それすら叶わない状況を暗示しています。作品は、70年代特撮番組「超人バロム・1」からの影響を受けており、二人の少年が合体するというストーリーラインが作品に色濃く投影されています。
彫刻作りを通じて、従来の硬く重厚なイメージから、むしろ不完全さや弱さに目を向けさせることが米村の目指すところです。彼は、制作において素材の選択肢を模索しながら、どのような形になるか試行錯誤する間に、「憶測と決断が交差する瞬間」を捉え、彫刻として保存する試みを行っています。
展覧会詳細
米村優人の展示「絶交(welcome!)」は、2024年7月21日(日)から9月24日(火)まで開催予定です。入場は無料で、開催中の8月21日(水)は全館休館日です。展示の会場となる京都 蔦屋書店は、独自のアート空間を提供し、現代アートの作品に触れながら、心地よい空間で過ごすことのできる場所です。
京都 蔦屋書店は、アートと文化の交差点として、約6万冊の書籍や文具、芸術品を取り揃え、全てのフロアで訪れる人々にインスピレーションを与えています。これを機に、米村優人のアートの世界に触れてみてはいかがでしょうか。彼の作品は、視覚的にはもちろん、精神的にも深い感動を与えてくれることでしょう。