データブリックスがSQLアナリティクスを発表、データレイク上でのBI分析が可能に
データブリックスが発表したSQLアナリティクス
2020年11月12日、データ&AI企業であるデータブリックスは、業界初の取り組みとして、データアナリストがデータウェアハウスのみならず、データレイク上でもBIやSQLを用いた分析を行える「SQLアナリティクス」を発表しました。この革新的な技術によって、データレイクの活用範囲がこれまでのデータサイエンスや機械学習だけに留まらず、BIを通じてのデータ分析へと広がります。
レイクハウス・アーキテクチャーの利点
データブリックスの提供するSQLアナリティクスは、データウェアハウスの高パフォーマンスとデータレイクのコスト効率を組み合わせた「レイクハウス・アーキテクチャー」に基づいています。これによって、企業は従来のクラウド型データウェアハウスに比べ、最大9倍の価格対パフォーマンスを実現することができます。
従来、組織はBI用にデータウェアハウスを維持し、データサイエンス用にはデータレイクを別に保持しなければなりませんでした。この分断が原因で、データのサイロ化や業務の非効率性が現れることが多く、その結果、イノベーションが妨げられることもありました。SQLアナリティクスにより、これらすべてのデータワークロードを一つのアーキテクチャで統合することで、コラボレーションと生産性を大幅に向上させることが可能になります。
利用企業の声
Shell社のデータサイエンス担当GM、ダン・ジーボンズ氏は、同社のプラットフォームの一部でデータブリックスを選んだ理由を語ります。「求められるのは、ペタバイト規模のデータセットに対する素早いクエリです。それを標準的なBIツールで実現できるというのは、まさにゲームチェンジャー。」と述べています。
データブリックスのCEO、アリ・ゴティシ氏も、「データをクラウドに移行するかどうかではなく、いつ移行するかが重要な時代です。SQLアナリティクスによって、より優れたデータ戦略を企業に提供できる」と期待を寄せています。
技術革新の詳細
SQLアナリティクスは、データレイクの信頼性や品質を向上させるオープンフォーマットのデータエンジンであるDelta Lakeを基にしており、複数のデータコピーを保存する必要をなくします。さらに、自動でスケールするエンドポイントを提供し、ユーザーの要求に応じて、常に低遅延でクエリを実行可能にします。また、データブリックス独自のクエリ実行エンジンであるDelta Engineにより、大規模データと小規模データの両方に対して迅速なクエリの実行が実現できます。
業界の反響
テクノロジー業界からの反響もあり、Tableau社のチーフプロダクトオフィサー、フランソワ・アジェンスタッド氏は、「SQLアナリティクスの導入により、必要な性能と信頼性を兼ね備えたデータ環境が整う」と期待感を表明しています。データブリックスは、これに関連する様々なパートナーとも協力し、幅広い業務での統合データ分析をサポートしています。
成長を続けるデータブリックス
データブリックスは、2019年第3四半期から2020年第3四半期にかけて収益が2億ドルから3億5000万ドルに急成長しました。グローバルに展開する中で、特に英国、オランダ、ドイツのオフィスで人員を倍増させ、オーストラリアとインドでは前年比で5倍成長を遂げるなど、急速に市場を拡大しています。データブリックスの製品は、データチームによって実際に多くの業界で利用され、効果を上げていると報告されています。
SQLアナリティクスの登場は、今後のデータ管理と活用の方向性を大きく変える可能性を秘めています。私たちのデータアナリティクスの未来がどのように進化していくのか、目が離せません。
会社情報
- 会社名
-
Databricks Japan株式会社
- 住所
- 東京都港区六本木1丁目4-5アークヒルズサウスタワー16階
- 電話番号
-
03-6821-1670