2025年高校生の進路意識と選択の現状
株式会社マイナビが実施した「2025年高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査」の結果が発表され、全国の高校生の学びに対する志向や進路選択の傾向が明らかになりました。この調査は高校3年生を対象に行われ、彼らが志望校選びの際にどのような要素を重視しているのか、またどのような不安を抱いているのかを検証しました。
志望校選びの基準
アンケートによると、志望校選びで最も重視されるポイントは「学べる内容」で、これに対する回答は44.9%に上りました。このトレンドは5年連続で続いており、高校生たちが何を求めているのかが浮き彫りになっています。それに続くのは「取れる資格(31.7%)」や「学部名・学科名(30.6%)」で、受験生は学びの内容に対する高い関心を持っていることが伺えます。一方で、「自分の学力との相性」という選択基準は、26.6%と年々減少傾向にあり、入試制度の多様化が影響していると考えられます。
この背景には、コロナ禍によるオンライン相談の増加や、入試方式の多様化により、自分の学力を超えた選択肢を持つことが容易になったという要因があるようです。高校生たちは、単に自分の学力に適した学校を選ぶだけでなく、自分の興味や将来の目標に合わせた選択肢を俯瞰する姿勢が見受けられます。
受験に対する不安
調査はまた、高校生が受験校を選ぶ際に抱える主な悩みについても触れています。「受験に合格できるか」という不安が32.8%で最も高く、次に「授業についていけるか」が31.3%となっています。これらの結果は、学力面での不安が依然として高校生たちの大きな悩みの種であることを示しています。特に、2025年に実施される共通テストが新課程による再編成の初年度にあたるため、受験方式の変化に対する不安も広がっています。
また、「自分が学びたい内容を学べるか(28.0%)」や「将来やりたい仕事が見つけられるか(27.6%)」といった進学後の不安も多く見られ、受験生たちの心理状態を垣間見ることができます。こうした不安要素に対処するためには、進学先選びの段階で十分な情報収集や相談が必要とされます。
受験校の傾向とその理由
受験校の選択については、平均で1.94校という数値が示され、過去2年連続で2校を下回る結果となりました。この背景には、受験校を増やすことによる費用の負担や準備の大変さが影響しており、33.2%の高校生が受験校数を絞る理由として「受験料や入学金の支払いが大変である」ことを挙げています。
受験校数が少ないことが、受験準備や対策にも影響を及ぼしています。受験生の中には、総合型選抜や学校推薦型選抜の選考が増加する一方で、これらの入試に必要な資料や面接の準備も複雑化していることを懸念する声も聞かれます。
今後の教育システムへの期待
調査結果を踏まえ、受験校選びの基準が変化している中で、将来的な教育制度も注目されます。マイナビでは新しい実践型キャリアデザイン教材を提供し、受験生の自己理解を深める手段を増やすことが求められています。
進学先の選択肢に幅がある中で、学生たちが自分の目指すキャリアの実現に必要な情報やスキルを得ることができるサポートが求められており、今後の高校教育にはさらなる成果が期待されます。学びの場での経験を踏まえた進路選択の促進が、来るべき未来に向けた一歩となることを願います。