健康を意識する新たな食育の取り組み
「野菜を食べましょう」だけでは不十分な時代が到来しています。食育の新たな形として、宮城学院女子大学が進める『ベジメータ®』を用いた食生活改善の取り組みが注目されています。この装置は、野菜と果物の摂取量を客観的に評価することで、健康状況の見える化を図っています。特に、8月31日の「野菜の日」に発表された研究成果は、食事習慣の改善に向けた重要な一歩となりました。
ベジメータ®の実力
ベジメータ®は、アメリカのLongevity Link Corporation製で、皮膚におけるカロテノイド量を光学的に測定する装置です。この測定技術は、2010年から野菜や果物の摂取量を評価するために使用され始めました。具体的には、ベジメータ®を使うことで、食生活の改善が始まった2週間以内にその効果を実感できるのです。この取り組みは、ただ野菜の摂取量を増やすだけでなく、継続的な改善へとつながることを目的としています。
宮城学院女子大学の研究
同大学での2年間にわたる研究では、342人のオフィスワーカーを対象に、食事と運動習慣との関連を調査しました。その結果、主菜・副菜をバランスよく摂取する人々は、ベジスコアが高くなる傾向が見られました。特に、健康的な食事を維持している人はさらに高いベジスコアを示し、食生活の改善がどのように進んでいるのかを示す明確なデータが得られました。
また、飲酒との関連性も注目され、アルコール摂取量が多い人ほどベジスコアが低下することが判明しました。これは、生活習慣全般における注意が必要であることを示しています。
熊本県総合保健センターの取組
熊本県総合保健センターでも、職員を対象に3回のベジメータ®測定会を実施しました。約280人の職員の中で229人が1回以上測定し、その結果、測定回数を重ねるごとに約4割が判定ランクを改善させました。回答者の91.2%が健康への意識が変化したと回答し、自己評価を通じて健康促進への意識が高まったことが確認されました。また、同センターでは、食環境を整える取り組みも進められ、例えばサラダを取り入れた「置き社食」や、野菜の定期販売により、健康的な食事を促進しています。
野菜摂取量の見える化
「測って終わり」ではなく、継続的に評価し改善を実感する仕組みが重要です。B-ROPs研究会でも、ベジメータ®を活用した研究が行われ、特に心血管疾患リスクとの関連が明らかになっています。このように、明確なデータに基づいた食改善活動は、健康な社会を築く基盤となるでしょう。
まとめ
これからの食育は、単なる野菜摂取の呼びかけにとどまらず、科学に基づいたデータを活用し、個々の健康状態を正確に評価し、改善へとつなげていく必要があります。宮城学院女子大学と熊本県総合保健センターの取り組みは、その先駆けとなるものです。摂取量を見える化し、さらなる行動変容を促していくことで、私たちの食生活は大きく変わる可能性を秘めています。