米国における持続可能な建築の新たな一歩:テンソサーモの活用事例
太陽工業株式会社が手掛けるアメリカでの新たなプロジェクトが注目を集めています。東京都世田谷区に本社を置く同社は、米国の現地法人Birdair Inc.を通じて、メリーランド州バルチモアのリタ ロッシ コウェル センター(Rita Rossi Colwell Center)の膜屋根張替え工事を受注しました。この施設は、1994年にBirdair Inc.が設計したもので、約30年ぶりの改修が行われることになります。
高機能断熱膜「テンソサーモ」の採用
今回の改修で重要な役割を果たすのが、高機能断熱膜「テンソサーモ」です。この膜は、透光性と断熱性を両立させた革新的な素材で、特に高性能の微粒子シリカエアロゲルを使用した不織布を断熱層に採用しています。これにより、室内の温熱環境を安定させつつ、建物のエネルギー効率を大幅に改善できるのです。
テンソサーモは、軽量でありながらも高い断熱性能を誇り、従来の膜構造が持つ特性—透光性や軽量性—を保ちながら、空調の効率を向上させます。また、エネルギーコストの削減にも寄与し、建物全体の環境負荷を軽減することが期待されています。
リタ ロッシ コウェル センターの役割
リタ ロッシ コウェル センターは、メリーランド大学のバイオテクノロジー研究所の一翼を担っており、マリンバイオロジーに関する研究、教育、イベント、スタートアップ支援の拠点として機能しています。2022年には、著名な海洋細菌学者であるリタ ロッシ コウェル博士の名を冠するようになりました。
この施設は、チェサピーク湾の内港に面しており、アトリウムやギャラリースペースなど広々とした空間を有しています。地域のランドマークとして親しまれており、膜屋根のデザインはその象徴でもあります。改修工事はすでに始まっており、現在は屋根の内膜撤去作業が進められています。新しい膜屋根は2026年3月に完成する予定です。新しい膜を通じて、歴史ある建築資産を次世代に引き継ぎ、持続可能な社会を実現することに貢献するのです。
テンソサーモの特長
「テンソサーモ」は、日本国内では未だ建築材料としての認可は得られていないものの、その優れた特性から注目されています。透光性と断熱性の両立は、今後の建築における重要なポイントとなるでしょう。特にエネルギー効率の向上が求められる現代において、こうした画期的な素材の導入は、環境負荷の軽減や経済的なメリットをもたらすことが期待されます。
太陽工業の企業理念
太陽工業株式会社は、「膜の無限の可能性を引き出し、お客様に感動と快適な環境を提供する」という企業理念のもと、革新的な建材を次々に市場に投入しています。軽量な膜材料が持つ特性を最大限に生かし、土木、物流、環境保全など多岐にわたる分野で事業を展開しています。日々進化する技術を駆使して、より良い未来を築く手助けを続けています。イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社や、施設運営のアクティオ株式会社など、関連企業とも連携を図り、「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」するビジョンを実現しています。
今回のプロジェクトは、米国における持続可能な建築の新しい時代を象徴するものであり、さらなる展開に期待が寄せられています。