マレリとOlloの連携
マレリ株式会社が、AIスタートアップの株式会社Olloが提供する画像認識ソフトウェア『Ollo Factory』をトライアル導入しました。このプロジェクトは、埼玉県さいたま市にある吉見工場で行われ、多くの利点が得られました。これにより、従来手間のかかっていた作業分析が大幅に改善され、その効果が実証されています。
導入の経緯
マレリの吉見工場では、自動車のインテリア内装を製造する多様な組立工程があります。約4ヶ月間にわたり、Ollo Factoryがトライアル導入され、その過程で得られたデータや分析結果が大変重要な役割を果たしました。具体的な導入フローは以下のようになります。
1.
作業動画の収集:ベテラン作業者と現行作業者が行う作業工程の動画をOllo Factoryで分析。
2.
課題の特定:分析を通じて、作業上の問題や課題を洗い出す。
3.
作業指導:得られた結果をもとに、Ollo Factoryの解析結果と動画を使用して作業指導を行う。
4.
改善の結果検証:改善策を実施した後、再度効果を検証。
実施による成果
Ollo Factoryを活用することで、現行作業者の作業内容の改善がなされ、結果的に作業時間が約10%短縮されました。この短縮により、残業時間の減少にも繋がり、年間では1現場あたり約133万円のコスト削減を実現。また、AIによる自動作業分析のおかげで、改善機会の発見にかかる時間も10分の1に短縮されています。
今後のプラン
マレリでは、Ollo Factoryが自動的に作業を区分し、お手本の作業者との比較を通して改善箇所を明確にする点を高く評価しています。今回のトライアルでは、既存ラインにおける改善効果が確認されましたが、更なる新車種の立ち上げにもOllo Factoryを活用する予定です。既存にとどまらず、今後は吉見工場への正規導入を目指して活動を進めていく意向です。
Ollo Factoryの特徴
Ollo Factoryは、組立作業などの人間の作業をAIが自動で詳細に解析する画像認識ソフトです。この独自のシステムは、大量の学習データを必要とせず、作業のばらつきや無駄を素早く見つけ出します。これにより、現場における生産性向上に寄与しています。現在、50を超える作業現場で活用が進んでおり、高い精度と生産性の向上を達成しています。
会社概要
株式会社Olloは、東京大学松尾研究室を中心に2019年に設立されたAIスタートアップです。同社は、製造業向けの画像認識ソフトウェア『Ollo Factory』を展開し、工場作業の高精度な解析を可能にしています。
代表取締役の川合健斗氏は、Olloのプロダクトに対する強い志を持ち、作業の効率化と価値向上を採り入れた製品開発に尽力しています。
公式ウェブサイトは
Ollo公式サイト です。