新たな患者報告システム
2025-01-16 14:29:46

慶應義塾大学、循環器外来での新たな患者報告システムを開発

慶應義塾大学による循環器外来診療の革新



慶應義塾大学医学部の専門家チームが最新のテクノロジーを駆使し、循環器外来における患者報告アウトカム収集システムを開発しました。これは、心不全、心房細動、狭心症といった三疾患の治療に関わるものです。患者が自らの症状や生活の質、治療への不安、満足度をスマートタブレットを通じて測定し、評価することができるこのePRO(electronic Patient-Reported Outcome)システムは、中部電力株式会社との共同研究によって実現しました。

このシステムの最大の特徴は、医師と患者のコミュニケーションの効率化にある。医師は患者が報告したデータを基に、より的確な治療方針を立てることが可能となり、患者は自身の状況を詳しく理解した上で診療に臨むことができます。すでに行われた検証研究において、この新しいシステムが医療の質を向上させることが証明されました。

従来、医師と患者の間には情報の非対称性があり、患者が抱える不安や疑問が適切に伝わらない場合も少なくありませんでした。その結果、病気の理解度が乏しく、治療のモチベーションにも影響を及ぼすことがありました。しかし、ePROシステムによって、主観的な感情や体調の変化を数値化し、共有できる環境が整ったことにより、患者は自身の体調をより正確に医師に伝えることが可能になります。

この革新的なシステムは、ただ単にデータを収集するだけではなく、患者の声を医療に反映させる重要なツールとなります。慶應義塾大学では、今後もこのシステムを活用し、さらなる患者ニーズに応える医療の提供を目指すとしています。

また、本研究の成果は、2024年1月14日に国際的な学術雑誌JAMA Network Openの電子版に掲載され、世界中の医療関係者から注目を集めています。今後、このような先進的なアプローチが、他の専門分野にも拡大し、患者中心の医療がますます進展していくことが期待されます。

デジタル化が進む現代において、患者報告アウトカムシステムは新たな医療の形を提示するものであり、慶應義塾大学はその先駆者として位置づけられています。これからの医療の在り方に、多くの示唆を与えるこのプロジェクトが、より多くの医療現場に普及することを願っています。


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