ファッション業界の未来を見据えた採用戦略の交流会
2025年10月22日、株式会社iDA(アイ・ディ・エー)は、東京都渋谷区にて第3回人事交流会を開催しました。この交流会は、ファッション・ビューティ業界の採用課題の解決と企業間のネットワークの活性化を図るために行われ、約50名の企業の採用担当者が参加しました。この機会に、業界の最新の採用動向と内定辞退を防ぐための具体的な戦略が示されました。
競争が激化する採用市場
2025年の採用市場は、さらなる競争が予想されています。企業は、新たな採用戦略を模索する必要があります。しかし、特にファッション・ビューティ業界では、応募者の数が減少しているという現実がある中で、いかにして内定辞退を防ぐかが重要なテーマとなっています。
なぜ内定辞退対策が急務か
講義の中で、iDAは内定辞退の背景をデータに基づいて分析。市場の動向を踏まえた結果、特に販売職を志望する学生の数がを減少傾向にあり、母集団形成が難しくなっています。何と言っても、内定を出すことが目標ではなく、入社意欲を維持し、入社後の活躍につなげることが肝要です。これらの課題に対し、参加企業には、「歩留まり向上」の具体策が提案されました。
学生動向の分析
続いて、ビューティーツリーの講演では、登録ユーザー約34,437名のデータから、大学生と専門学生の内定辞退率の差異が紹介されました。大学生の内定辞退率は62.5%なのに対して、専門学生は28.8%という数値が挙げられ、志望動機の明確さが内定承諾に影響を与えることが強調されました。この傾向を踏まえ、企業は学生とのコミュニケーション方法を模索する必要があります。
効果的なフォロー策とは
講義の中では、実際の企業がどのように内定辞退を防ぐためのフォローを行っているかについても具体例が紹介されました。面接後の個別フィードバックや、内定通知の電話連絡など、個別対応が功を奏しているとのことです。また、学生の家族からの支持を得ることによっても辞退を防止する工夫がなされているようです。こうしたヒューマンタッチが企業間で求められていると感じさせられます。
グループディスカッションでの意見交換
交流会終了後には、グループディスカッションが行われ、参加者たちは「内定辞退を防ぐための施策」と「入社意欲を維持するためのフォロー」の2つのテーマについて意見を交わしました。内定から入社までのフォロー期間が長期化する中、人事部と現場社員の連携がいかに重要であるかが強調され、各社の経験がシェアされました。また、企業の成長環境やキャリアパスを明確に伝えることが、承諾率向上につながるという意見も多く見られました。
参加者からは、業界全体に存在する課題の理解を深める有意義な会であったという声が多く寄せられました。他社の取り組みをベースに自社の課題にアプローチするための新たな視点を得ることができたとのこと。
交流会を振り返って
株式会社ビューティーツリーの代表取締役、辻堂篤氏は「今日の交流会を通して得た知見が、今後の採用活動のヒントになれば幸い」と述べています。同様に、iDAの中村正樹氏も「業界全体の採用のあり方について、多くの意見交換が行われ、有意義な時間であった」とのコメントを寄せました。この合同の取り組みが、今後のファッション・ビューティ業界の発展に寄与することが期待されます。