日本のカード情報、ダークウェブで最高値で取引される理由
最近、個人向けのセキュリティサービスを提供する
NordVPNが行った調査によって、日本のカード情報がダークウェブで世界最高値に達していることが発見されました。この調査は、NordVPNの情報漏えい管理プラットフォーム「
NordStellar」を利用して、ダークウェブ上に存在する50,705件の盗難カード情報を分析した結果、得られたものです。具体的には、日本のカード情報が平均で約23ドル(約3,400円)で取引されていることが明らかにされました。
調査の背景
キャッシュレス決済の急増により、支払いカード情報を狙った脅威が増大しています。そのため、NordVPNは、ダークウェブ上でのカード情報の取引実態を正確に把握するためにこの調査を実施しました。この調査が実施されたのは2025年の5月で、特にアメリカ、シンガポール、スペインからの情報漏えいが目立ち、アメリカは全体の60%以上を占めています。
日本のカード情報が高値の理由
なぜ日本のカード情報が高値で取引されるのか。その主な原因は「
データ供給の少なさ」と「
不正検知システムの厳しさ」にあります。需要と供給のバランスから、盗まれにくい国のカード情報は希少価値があるため、犯罪者が高額で入手を試みる傾向にあります。アメリカなどでは、多くのカード情報が流出しているため、同じ価値でも特定の枚数が安く提供されることが多く、相対的に日本のカード情報の価格が上昇しているのです。また、別の理由として、有効期限が長いカードは人気があり、そのためプレミア価格が付けられることがあります。
ダークウェブでの取引実態
ダークウェブでは、単なるカード番号だけでなく、氏名や住所、さらにはセキュリティコードなど、幅広い情報がセットで販売されているのが一般的です。この情報を利用して犯罪者は「
カーディング」という手法で他人のカードを不正に利用し、現金化する手段を持ちます。彼らは、低コストで他人の資金を手に入れるために、数ドルの投資で非常に危険な行為を行うスタイルを確立しています。
カーディングの現実
この犯罪行為は分業化されており、多くの役割が存在します。具体的には、カード情報を盗む「ハーベスター」、カード情報を自動的に検証して有効なものを選別する「バリデーター」、そして最終的にギフト券や暗号資産を購入して現金に換える「キャッシュアウター」という具合です。このようにして、彼らは効率的に利益を得ることが可能となります。
支払いカードを安全に利用するための5つの対策
NordVPNのサイバーセキュリティ専門家、アドリアヌス・ワーメンホーフェン氏は、カード情報を安全に利用するための対策を次のように提案しています。
1.
利用明細の定期確認: 利用明細は週に1回確認し、異常な取引がないかを確認する。
2.
強力なパスワード設定: 英字や数字、記号を組み合わせ、推測されにくいパスワードを設定する。
3.
ブラウザの自動保存無効化: カード情報をブラウザに保存しないことでリスクを軽減する。
4.
多要素認証の導入: パスワードだけでなく、生体認証などを利用して不正ログインを防ぐ。
5.
ダークウェブ監視ツール使用: 自分の情報がダークウェブで流出していないか定期的に確認する。
これらの対策を講じることで、サイバー犯罪者からの脅威を大きく軽減することが可能です。犯罪者にとってのコストが低いため、我々自身が被害を防ぐための努力が重要です。
NordVPNとは
NordVPNは、8000台以上のサーバーを持ち、世界中のユーザーから支持されているVPNサービスです。オンラインプライバシーを強化し、マルウェアからの保護、悪質なウェブサイトのブロックなど多様な機能を提供しています。今後もこのようなサービスの重要性は増すことが予想されますので、自身の安全を守るために積極的に利用していきたいものです。