東京都の新たな循環経済ファンドの運営事業者が決定
東京都では、2030年にカーボンハーフ、2050年までにゼロエミッションを実現するために、資源の消費を削減し、廃棄物の発生を抑える『サーキュラーエコノミー』の推進に力を入れています。また、100年先を見据えた『東京グリーンビズ』プロジェクトも展開し、自然生態系の損失を防ぎ、回復に導く『ネイチャーポジティブ』の実現を目指しています。
これらの取り組みをより効果的に進めるため、循環経済と自然資本を育成するファイナンスモデルとして「循環経済・自然資本等推進ファンド」の創設が重要となっています。このたび、運営事業者として新生企業投資株式会社と三井住友トラスト・インベストメント株式会社が決定されたことをお知らせします。
運営事業者の特徴
新生企業投資株式会社は、SBIグループの主要な投資事業企業の一つであり、2004年からスタートアップへの投資を行い、20年以上の経験を有しています。一方、三井住友トラスト・インベストメントは、プライベートエクイティファンドの運営を行い、サーキュラーエコノミーの専門家チームと連携して、適切な投資プロセスを支援します。両者の強みを活かし、持続可能な社会実現に向けた取り組みが期待されています。
ファンド運営の経緯
ファンドの設立に向けた動きは、本年5月から始まりました。運営事業者を募集する過程で、専門業者による厳格な調査が実施され、その結果に基づいて9月に選定委員会が開催されました。今後、ファンド創設に必要な手続きを経て、東京都から本ファンドに30億円の出資が行われる予定です。
サーキュラーエコノミーとネイチャーポジティブの展望
サーキュラーエコノミーとは、資源の投入や消費を抑えつつ、資源のストックを有効に活用して新たな価値を生み出す経済システムです。具体的には、リチウムイオンバッテリーやプラスチックのリサイクル、食品廃棄物のバイオマス利用、製品や部品のリファービッシュなどが含まれます。
一方、ネイチャーポジティブは、生物多様性の損失を止め、回復への道筋をつけることを目的としています。この理念をベースにした取り組みは、汚染物質の浄化や、再生型の農業・林業の推進など、自然環境の保護と回復に寄与する事業を支援することを目指しています。
今後の東京都の活動は、未来の東京戦略の一環として、持続可能性を高めるための新しいステップを踏み出していくことが期待されています。これらの取り組みが成功すれば、東京はよりクリーンで生物多様性に富んだ環境を実現することができるでしょう。