親子の特別な記憶を紡ぐ、老舗ネクタイメーカーの新しい挑戦
千葉市花見川区に本拠を置く株式会社ツバメ日吉が、新たなクラウドファンディングプロジェクト「はじめてのネクタイ」で注目を集めています。このプロジェクトは、成人式や就職といった人生の節目に、親から子へ贈る特別なネクタイを提供するもので、なんと開始から8時間で目標金額を達成し、現在では316%の支援を得ています。1963年から続く老舗のネクタイメーカーが、従来のB2B製造から「記憶の仕立て屋」として、文化創造企業へと進化を遂げる新たな挑戦です。
時代の移り変わりを反映する新しい価値提供
ツバメ日吉は、設立当初から若者の社会進出を支援し、かつては寮の運営も行ってきました。その中で、親子の絆や時代の変化を見守ってきた歴史があります。代表取締役の渡邉孝太郎氏は、富士フイルムでデジタル化の波を経験後、家業を引き継ぎ、単にネクタイを作る製造業から、親子の記憶を結ぶ文化創造企業へと飛躍することを決意しました。
「はじめてのネクタイ」が提供する3つの価値
このプロジェクトでは、以下の3つの価値を提案しています:
1.
五感で感じる工房体験
親子で工房を訪れ、生地の選定や採寸、刺繍オプションの体験ができます。改修されたオーダールームは、学生寮として使用されていた施設で、布の手触りや糸の輝きを実際に感じることができ、モノづくりの過程が家族の記憶となります。
2.
世界に一つだけのオーダーメイド
完全オーダーメイドのネクタイは22,000円以上で提供されますが、クラウドファンディングでは特別価格17,600円でオーダー可能。200種類以上の生地やサンプルを手に取りながら、理想のネクタイを作り上げることができます。62年の技術力が、型崩れしにくい美しいシルエットを実現しています。
3.
記憶に残る演出サービス
親が子にネクタイを結ぶ瞬間を特別に演出するためのサービスも提供され、メッセージ刺繍や記念撮影など、記憶に残る贈り物文化を創造します。
職人の涙から生まれた思い
「息子と一緒に作った蝶ネクタイ。その瞬間が、私の中のさまざまな記憶を呼び起こしました」と語る工房の女性職人。この言葉が、「はじめてのネクタイ」プロジェクトの根底にある情熱です。親の想いと共に育まれるこのプロジェクトは、クラウドファンディングへの多くの共感を集め、開始から8時間で目標を達成するに至りました。
日常を特別な記憶に変える理念
「日々是好日」という理念のもと、普通の日々を五感で感じ、特別な記憶へと変えることを目指しています。ネクタイはただの装身具ではなく、親から子へ贈られる愛情の象徴、そして「卒業証書」としての意味を持っています。
未来へのビジョン
2026年には、子育てを終えた女性を対象とした手仕事教室「結び舎(仮)」を開設予定です。日本の伝統工芸技術を取り入れた新しいビジネスモデルの展開を考えています。今後は中央アジアの織物文化との文化交流も視野に入れ、国際的な文化創造企業を目指す意気込みを見せています。
ツバメ日吉は、単なるネクタイメーカーを越え、親子の絆を深める特別なプロジェクトを進めていきます。