生成AI活用が進化する就職活動の変遷と影響の実態
株式会社Strobolightsは、東京都町田市を拠点に、大学生67名を対象とした「就職活動における生成AI活用実態調査」を実施しました。この調査から、就活生がAIを利用することで企業と「出会う前」に選考が終わってしまう「見えない離脱」の実態が明らかになりました。調査によると、AIに進路相談を多く行う学生ほど、応募を取りやめる割合が高く、その差は最大で5.1倍に達することが示されています。このことは、就活の初期段階においても母集団があり得るのです。
調査のサマリー
本調査で注目されたのは、生成AIの高い利用率とともに、「出会う前に終わる選考」といった現象です。AIを活用して企業研究を行った結果、応募を取りやめた経験がある学生はなんと43.3%に達し、また、AIへの相談頻度が高い学生ほど、その割合が高くなることが見受けられました。これらの結果から、企業と接触する前に企業を選定する段階で、AIが選考に大きく影響していることが浮かび上がります。
この調査では、生成AIの利用率が97.0%に達し、その多くが「頻繁に利用している」と回答します。利用目的としては、エントリーシートの添削や情報収集にとどまらず、自己分析や企業との相性診断、進路選択の相談にも使われているようです。AIの導入によって、従来キャリアセンターや先輩、家族が担ってきた役割までカバーされるようになっているのです。
「見えない離脱」の実態
調査の結果、AIで企業を研究した後に応募を取りやめた学生は43.3%に達し、その背景には「進路相談」への高頻度の問い合わせがあります。企業研究の中でAIが示す結果は、応募を決定する大きな要因となっています。一方で、AIの利用によって応募する企業の幅が「広がった」と感じている学生も46.3%存在し、AIは母集団を広げる一方で、狭めるフィルターとして機能していることも分かりました。
ちなみに、AIに対して相談を行った経験がある学生は79.1%にのぼり、その理由には「24時間いつでも使えるから」という点が挙げられます。AIは学生にとって、信頼できる「相談相手」という存在になりつつあり、これは「AIが合わないと言った企業には応募しない」といった行動に影響を与えています。
新時代の就職活動とAI
調査の結果から考えられることは、自社に関する情報がいかにAIに影響を与え、応募者の選定に影響を及ぼすかという点です。自社の魅力や強みが、AIのサーチ結果によってどのように伝わるかが、認知度や応募者の母集団形成に決定的な要素ともなります。従って、企業側でもAIがどのような情報を参照しているのかを常に把握し、必要な情報が適切に発信されているかを見直す必要があります。
また、AIの進化とともに、学生たちがAIを信頼し、活用する割合は高まってきています。一方で、AIに対する懸念も存在し、その文脈で説明会や対話の重要性が増すでしょう。学生の信頼を得るためにも、企業は「人とAIの共生」について戦略的な考え方を持ち、座談会や社員との対話の機会を設けることで、AIに代替できない価値を提供していくことが求められます。
今後の採用活動では、AIを利用した情報発信に留まらず、人的接点からの信頼感を高める仕組みが重要になることでしょう。新たな視点で採用活動を考えていく時期が来ているのかもしれません。詳細レポートも公開中なので、関心のある方はぜひご確認ください。