アリソン4440がもたらす除雪作業の革新
2025年1月、除雪作業に特化した新型大型トラック「日野プロフィアFS」が登場しました。注目の理由は、アリソントランスミッションが開発したトルクコンバーター付きの6速フルオートマチックトランスミッション、アリソン4440が標準搭載されていることです。この新型除雪車は新潟県上越市で行われた「ゆきみらい2025 in 上越」でお披露目され、地域活性化や安全な交通確保に貢献することが期待されています。
除雪車とは
除雪車は、降雪地帯の交通を確保するための不可欠な存在です。特に深夜や早朝の作業が多く、熟練したオペレーターと助手の二人一組で運転されるのが一般的でした。しかし、近年のオペレーター不足や高齢化は、除雪作業の課題となっています。この点で新型除雪車の導入は、省人化やオペレーターの負担軽減に貢献するでしょう。
アリソン4440の特徴
アリソン4440は、イージードライブを実現するために設計されたトランスミッションです。トルクコンバーターにより発進時のトルクを増幅し、雪道や泥濘地でもスムーズな走行を実現します。驚くべきは、積雪時の重い負荷への対応力です。従来は発進時や変速時にエンジンが不意にストップするリスクがありましたが、今後はそのリスクを大幅に抑えることができます。
また、アリソンのフルオートマチックトランスミッションは、完全ツーペダル方式で直感的な操作を可能にします。従来の手動ギアチェンジとは異なり、運転ストレスを軽減し、より快適な運転が実現されるのです。この自動化により、オペレーターは除雪機器の操作と凍結防止剤の散布を同時に行うことができ、効率的な作業が可能になります。
株式会社日野自動車からの期待
アリソン4440が標準搭載されたことで、日野自動車の国内営業部お客様担当室特装営業グループの三枝慶一氏は、「非常に期待しています。省人化と効率化を通じて、持続可能な除雪体制の維持に貢献できると思っています」と語りました。また、早速2月3日に中部地方の顧客に初号車が納車される予定があり、その実力が早くも試されることになります。
中型・大型トラックAT限定免許導入へ
今後の運転免許制度についても注目が必要です。2026年4月から中型トラックにAT限定免許、2027年4月には大型トラックにAT限定免許が導入される見通しです。これにより、アリソン搭載車両の普及が進むことで、運転する人材の裾野が広がり、従来の運転手不足の緩和に繋がることが期待されています。
まとめ
アリソントランスミッションは100年を超える技術背景を持ち、商用車だけでなく様々な用途での導入が進んでいます。今後も、除雪などの特殊作業においても、その技術力を活かして生産性向上を支援することが重要です。今回のアリソン4440搭載の除雪車は、その第一歩となるかもしれません。