足立区立郷土博物館で文化遺産調査特別展「千住宿400年」が開催
足立区立郷土博物館では、2025年10月21日から2026年1月11日まで、文化遺産調査特別展『千住宿400年』が行われます。この特別展では、初公開となる仏像など約70点の文化遺産が展示され、豊かな歴史と文化を持つ千住の魅力を再発見する機会となっています。
千住宿の歴史的背景
千住は1625年に、日光・奥州道中の第一の宿場として整備されました。2025年には『千住宿開宿400年』を迎え、江戸時代には江戸四宿の一つとして知られ、約1万人が暮らす最大の宿場町でした。千住宿の商家は経済的に裕福で、文人たちと交流しながら独自の文化を築いていきました。
このような背景がある千住では、数多くの芸術作品や文化財が生まれ、震災や戦争の影響を免れ、現在に伝えられています。近年、旧家や寺社から発見された数々の美術品は、専門家から「美と知性の宝庫」と評されています。
特別展の見どころ
今回の『千住宿400年』特別展では、2012年から進めてきた文化遺産調査の成果が一挙に公開されます。代表的な展示品をいくつかご紹介します。
勝專寺に秘仏として祀られている千手観音立像は、鎌倉時代後期に隅田川から引き揚げられたもので、千住の地名の由来とも言われています。本展示ではそのお身代わりとしての『御前立』が披露されます。
明治16年(1883年)に作られた山車で、12年ぶりに組み立てが行われます。三層に分かれた構造が特徴で、千住の祭り文化を感じることができます。
江戸の琳派を広めた酒井抱一の弟子、鈴木其一による扇です。千住の人々との深い交流がうかがえる、貴重な作品です。
これらの作品を通じて、江戸時代の千住の文化と美に触れる貴重な体験ができます。
同時期開催の千住まちなか美術館
また、特別展の開催と合わせて、千住のまちなか9カ所で美術品の展示も行われます。江戸時代から明治にかけての作品を中心に、千住の暮らしの中にあった美術を再現し、当時の面影を感じることができます。
参加ギャラリー一覧
- - ルミネ北千住
- - 明日香北千住本店
- - カフェ寛味堂
- - 和食板垣
- - 仲町の家
- - 中央図書館
- - お休み処千住街の駅
- - 千住宿歴史プチテラス
- - 横山家住宅
入館情報と料金
足立区立郷土博物館では、一般料金は200円、団体は半額、中学生以下と70歳以上は無料となっています。毎月第2、第3土曜日は無料開放日も設けられています。詳細な日程や料金については、公式サイトを参照してください。
終わりに
この特別展は千住の文化を深く理解し、地域の歴史と美を再発見する絶好のチャンスです。ぜひ、足立区立郷土博物館を訪れ、深い歴史の中に息づく文化遺産を体感してみてはいかがでしょうか。