生成AIの導入による矢作建設工業の検図業務効率化への挑戦
矢作建設工業株式会社が、生成AIを駆使した業務効率化のプロジェクトを発表しました。京都市に本社を置く株式会社データグリッドの協力のもと、検図業務の負担を軽減し、生産性の向上を目指しています。
この取り組みの背後には、建設企業の間で進行を求められている生産性改革があります。特に、施工管理に従事する職員の専門スキルは高く、その力を最大限に引き出すためには定型業務の効率化が不可欠です。
取り組みの概要と成果
矢作建設工業が施工した物流施設の図面を対象にし、データグリッドの図面解析AIソリューションを用いた検証を実施。その結果、検図作業に要する工数を62%削減できるという成果を上げました。具体的には、施工管理職員が確認する必要のある構造図との整合性をAIが判断し、多くの作業の手間を省くことができました。
検証の進め方
このプロジェクトでは、施工図と構造図の整合性確認を行いました。対象となる図面は、物流施設の基礎伏図など全18種類、合計33ページに及び、各構造体の符号や寸法を含む数十項目をAIが照合しました。
検証の結果、生成AIが高い自信を持って判定できた領域が62%に達しました。これにより、施工管理職員による確認が不要となり、彼らの業務はより付加価値の高い作業に集中できるようになります。
今後の展望
この取り組みは単なる成功に留まらず、更なる精度向上や新たな建物用途への適用を目指しています。また、照合項目の追加検証も行う予定で、今後の発展が期待されます。
矢作建設工業の執行役員である黒田健一氏は「建物の品質を維持しつつ、生産性を向上させるため、実務へのAI適用は重要なステップです」とコメント。データグリッドのCEO岡田侑貴氏も「生成AIを用いた建設業のオペレーション改革に向け、立証できたことを嬉しく思っています」と期待を寄せています。
企業紹介
データグリッドは、2017年に設立された京都大学発のスタートアップで、生成AIの領域において革新的な技術の開発を推進しています。同社の図面解析AIは、検図やBOM作成など、実務の効率化を目指しており、生成AIを取り入れることで競争力を高めています。
本プロジェクトは、建設業界が直面している人手不足の解消や業務効率化に寄与することが期待されています。事業者がこの技術を取り入れることで、さらなる業務変革が促進されることでしょう。
興味を持たれた方は、データグリッドの公式サイトから資料請求が可能で、AI技術を実際に体験する機会も提供されています。
この新たな挑戦は、建設業界に新しい風を吹き込むことでしょう。今後の進展に目が離せません。