STマイクロエレクトロニクスの新製品
STマイクロエレクトロニクスが、近日中に、高電流かつ低電圧条件に対応した、車載用降圧コンバータ「DCP0606Y」を発表しました。これは、最小で0.6Vの電圧から最大で6Aの出力電流を実現する非常にコンパクトで効率的なデバイスで、最新のテレマティクスシステムやヘッドアップディスプレイ、インフォテインメントシステム、ADASなど、様々な車載アプリケーションに最適です。
車載用途に最適な設計
DCP0606Yは、特に高電流と低電圧に特化しており、ポスト・レギュレーションが必要なデジタル回路の電源として利用できます。また、製品開発をサポートするために、評価ボード「STEVAL-0606YADJ」も用意されており、設計の迅速化や評価が容易に行えます。
優れた集積度
この降圧コンバータは、必要なすべての機能を3 x 2mmの小型パッケージに集約しており、ハイサイド、ローサイドのMOSFET、ゲートドライバ回路、制御ロジック、保護機能、ソフトスタート回路が統合されています。この設計によって、外部部品を最小限に抑えた効率的な回路設計が可能になります。
さらに、使用者は簡単にスイッチング周波数を任意に1.8MHz、2.25MHz、3.5MHz、または4MHzに設定できるため、性能を最適化できます。周波数ディザリング機能により、EMIのピークを低減することができ、低消費電力も実現しています。外部ピンを使用して、低ノイズ運転モードを選択できる点も魅力です。
高効率と低消費電力
DCP0606Yは、平均効率が高く、最大負荷時には93%に達する性能を誇ります。軽負荷時にはパルス・スキッピング動作により、わずか10µAという静止電流を保ちながら、高い効率を確保します。この効率的な設計は、あらゆる動作条件に対して消費電力を抑えることを可能にしています。
仕様と調整機能
DCP0606Yは、3.3Vまたは5Vの標準電源で動作し、出力電圧はユーザーが自由に設定できます。固定出力としては1.0V、1.2V、1.8V、3.0V、または3.3Vの選択肢が用意されており、必要に応じてSTの営業組織まで問い合わせることが可能です。過電圧、過電流、過熱の保護機能と自動復帰機能も標準装備されています。
安全性と温度耐性
製品は-40℃から+150℃の範囲で動作仕様があり、AEC-Q100のグレード1認証を受けています。これにより、厳しい環境下でも確実に機能します。
現在、DCP0606Yは量産体制に入り、QFN48パッケージ(3 x 2mm)で販売されており、単価は1000個購入時で約0.95ドルです。詳細な情報については、STマイクロエレクトロニクスの公式ウェブサイトを訪れてください。
会社概要
STマイクロエレクトロニクスは、約5万人の従業員を有する世界的大手半導体メーカーで、包括的なサプライチェーンと最先端の製造設備を有し、約20万社の顧客と数千社のパートナー企業と共に、持続可能な社会の実現に向けた半導体ソリューションを開発しています。自社のテクノロジーは、スマート・モビリティを促進し、電力エネルギー管理の効率化、さらにはクラウド接続型デバイスの普及を支えています。また、カーボンニュートラルへの努力を進めており、2027年末までに全てのエネルギーを再生可能エネルギーでまかなう計画を立てています。
詳細な情報はSTマイクロエレクトロニクスのウェブサイト(
http://www.st.com)で確認できます。