キリンビール、リサイクル実証実験を開始
キリンビール株式会社と日本山村硝子株式会社は、初めてとなる酒類飲料のキャップにおける水平リサイクルの実証実験を共同で実施します。この取り組みは、2024年12月中旬からスタートし、会員制生ビールサービス『キリン ホームタップ』で提供される『一番搾りプレミアム』の1Lペットボトルのキャップを対象としています。
実証実験の目的と方法
この実証実験に使用するキャップは、通常ビール製品の製造過程で生じた廃棄キャップを再活用したものです。具体的には、キャップの外装部にリサイクル樹脂を10%混合した2ピースキャップが使用されます。
約4万個のキャップをリサイクルし、各キャップによる温室効果ガス(GHG)排出量の削減が期待されています。見込まれる削減量は1個あたり約1.7gです。これにより、持続可能な社会の実現に向けて着実に一歩を踏み出すことが目指されています。
課題と展望
日本では、ペットボトル用キャップの水平リサイクルが進んでいない背景には、食品接触部分の樹脂を再生するための技術的な難易度があることが指摘されています。しかし、この実証実験を通じて、リサイクル樹脂を活用するチャンスを広げ、循環型社会の実現に貢献することが狙いです。
キリングループは、プラスチックのリサイクル技術を進化させるための情報や知見を集め、より効率的なリサイクルシステムの構築を目指しています。特に、食品非接触部分としてキャップの外装部に焦点を当てることにより、リサイクル樹脂の活用の扉を開くことが期待されています。
環境への貢献
キリンビールと日本山村硝子の協力によって、リサイクル樹脂の利用が進むことで、環境負荷を減らしながら新たな価値を生み出すことができるでしょう。また、キリングループは『自然と人を見つめるものづくり』を掲げ、食と健康の新しい喜びを広げ、心豊かな社会の実現に向けて活動しています。
この実証実験により、キャップに使用するリサイクル素材の可能性が広がり、今後の環境保全活動の一助となることが期待されています。リサイクルに関する企業の取り組みが進む中、消費者としても、こうした試みに注目していくことが重要です。