6月は環境月間として、日本全体で環境問題への意識が高まる時期です。佐川急便も、この機会に自社の環境への取り組みを示すべく、いくつかのプロジェクトを展開しています。温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの導入、生物多様性の保全など、企業としての社会的責任を果たすべく活動を行っています。
佐川急便の環境への具体的な取り組み
まず、当社が積極的に導入しているのが「環境対応車」の運用です。これらの車両は、大気汚染物質や温室効果ガスの排出を抑えたもので、2023年度末までに約2万台が保有されています。具体的には、CNG(天然ガス)トラックやハイブリッドトラック、そして今話題の電気トラック(EV)や水素を動力とする燃料電池トラック(FCV)が含まれています。
- - CNGトラック:CO2や窒素酸化物の排出が少なく、粒子状物質を排出しない。
- - ハイブリッドトラック:従来型のディーゼル車と比較して燃費が良く、環境負荷を軽減。
- - EVトラック:走行中は排気ガスを発生させず、すべて電気で駆動。
- - FCVトラック:水素を使用することで、クリーンな運行が可能。
また、長距離の貨物輸送をトラックから鉄道や船に転換する「モーダルシフト」も、当社が力を入れている施策の一つです。この方法では、トラックよりもCO2の排出量を大幅に削減できるため、エコロジーな輸送手段として注目されています。実際に、1tの貨物を1km輸送した場合のCO2排出量を比較すると、鉄道はトラックと比べて10分の1、船では5分の1となることがわかっています。
さらに、東京都八王子市にある「高尾100年の森」では、事業によって排出されたCO2を吸収する森林保全にも取り組んでおり、地域の子供たちに環境教育を提供する場にもなっています。この森は、当社の持続可能性に対する取り組みの象徴でもあり、地域との関係を深める重要なプロジェクトです。
「SEGES」最上位ステージ昇格
さらに、今年4月には「SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)」の評価において最上位ステージへの昇格を果たしました。この評価は、民間事業者が管理する緑地の環境への貢献度を独自に評価するもので、当社の里山の再生や地域との連携した取り組みが高く評価されています。
再生可能エネルギーの推進
電力使用における再生可能エネルギーの比率も年々増加しており、2024年度には約60%に達する見込みです。営業所や大規模物流施設の屋上には太陽光発電システムを設置し、エネルギーの自給自足への道を模索しています。
新たな挑戦
最近では、Japan DX株式会社との資本業務提携を通じて、訪日観光客向けの物流サービスの充実を目指しています。この新たな挑戦では、旅行の計画と並行して輸送サービスを提供することで、旅行者の利便性を向上させることを目的としています。今後、このプラットフォームを活用してさらなるサービスの展開を計画していきます。
新入社員への期待
また、今年は231名の新入社員が入社し、その大部分がドライバーとして配属されています。新入社員は、まず基本的な運転技術を研修で学び、安全運転に必要なノウハウを身につけるところから始めます。順調に研修を終えたメンバーは、夏頃から独り立ちしたドライバーとして活躍していくことでしょう。
社会への貢献
安全運転教育においては、外部企業向けの講習も行っており、培った知識や技術を他の企業にも還元しています。これにより、事故削減及び安全管理体制の構築にも寄与し、社会全体の安全意識を高めるための活動を進めています。
このように、6月の環境月間に合わせた佐川急便の取り組みは、ただの活動に留まらず、未来に向けた持続可能な社会の実現に貢献する重要なステップとなっています。