特殊詐欺とフィッシング詐欺の現状
トビラシステムズ株式会社が2025年8月に発表したレポートでは、特殊詐欺やフィッシング詐欺に関する新たな傾向が浮き彫りになりました。同社は、詐欺電話やSMSに対する独自の調査を行い、その結果を公表しています。特に、国際電話を利用した詐欺や、有名企業を装ったフィッシング詐欺が急増していることが目立ちます。
調査の概要
調査の期間は2025年8月1日から31日まで。今回のレポートでは、特に注目すべき幾つかの点が挙げられています。
詐欺電話の実態
トビラシステムズのデータによると、詐欺電話の多くは国際電話番号から発信されていることがわかりました。特に、迷惑電話に使われる国際電話番号は64.5%に上るとのこと。これは前月から4.1%の増加を示しており、依然として高い割合を維持しています。
実在する警察署の番号を使って詐欺を行うケースも増えており、特に「ニセ警察詐欺」の事例が多く確認されています。例えば、兵庫県生田警察署の名前を使った詐欺電話では、実際に逮捕された人物を名乗り、「あなたの口座が犯罪に使われている」と伝える手口が報告されています。
このような手法は、同一グループによるものと考えられ、他の地域でも類似の事件が発生しています。
フィッシング詐欺の増加
フィッシング詐欺の手口についても詳細な調査が行われました。2025年8月のデータでは、金融サービスをかたるSMSが35.3%、宅配業者を装うものが44.1%と、それぞれ高い割合を示しています。特に「佐川急便」を名乗るSMSが多発しており、クレジットカードをかたる手口も増加傾向にあります。また、国勢調査を装った不審なメールも確認されており、このメールリンクをクリックするとフィッシングサイトへ誘導され、個人情報が盗まれる危険性があります。
国勢調査のカモフラージュ
9月20日から始まった令和7年の国勢調査に便乗した不審なメールが続出しており、この手口では公式サイトに似せた偽サイトに誘導されます。ターゲットに対して国勢調査に関する情報を求めるメールが送られ、そこに含まれるリンクをクリックすると、フィッシングサイトが表示され、個人情報を盗むことが目的とされています。トビラシステムズは、このような手法を「リアルタイムフィッシング」と呼び、監視を強化しています。
取得した情報の悪用
今回の調査によると、詐欺師たちは特にNintendo Switch2の抽選応募を狙った攻撃が行われていることがわかりました。フィッシングサイトで得た番号と認証コードを不正利用することが懸念されています。
このような情勢の中で、トビラシステムズは、専用の迷惑SMS対策サービスを提供しており、フィルタリングによる安全対策を推進しています。
まとめと対策
最新の詐欺手口に関するレポートを受けて、対策を講じることが重要です。身に覚えのないメールやSMSには注意し、公式のチャンネルを通じてサービスを利用するよう心掛けましょう。また、疑わしいリンクは絶対にクリックせず、迷惑SMS対策サービスを活用することが推奨されています。
トビラシステムズの取り組み
トビラシステムズは、特殊詐欺やフィッシング詐欺などの撲滅に向けた様々なサービスを展開しています。固定電話やモバイル向けの「迷惑情報フィルタサービス」は、月間約1,500万人に利用されており、社会課題の解決に取り組んでいます。