「障害者雇用の新たな可能性を探る」
2025年9月22日、東京都で行われたイベント『〜「雇う」から「ともに働く」へ〜』では、マネーフォワードとオリィ研究所が共同で障害者雇用についての新たな取り組みを発表しました。このイベントは9月の障害者雇用支援月間に合わせて開催され、障害を持つ方々がどのように職場に定着し、意義ある形で働き続けられるかに焦点を当て、貴重な情報共有が行われました。
イベントの背景
2026年より障害者雇用の法定雇用率が引き上げられる予定ですが、単なる数字の達成だけではなく、障害者が職場に定着し、充実した働きがいを持てる仕組みが求められています。マネーフォワードは精神・知的障害のある方の定着率向上に力を入れ、オリィ研究所では身体障害などの事情を抱える方が分身ロボット「OriHime」を通じて活躍する実績を持っています。これらの取り組みをもとに、「どのように障害のある方と共に働くか」をテーマに議論が行われました。
オリィ研究所の紹介
社内での発表において、オリィ研究所の中島氏は分身ロボット「OriHime」が「AIではなく、人間の分身」であることを強調しました。このロボットを使うことで、移動や対話の機会を広げ、社会参加が可能になる点を説明しました。さらに、分身ロボットカフェという独自の取り組みを紹介し、ここでは病気や障害、育児、介護など様々な理由で移動が難しい人々が就労する機会を得られると述べました。
キャリアの挑戦
また、実際に分身ロボットカフェで働いた経験を持つ牧野さんが登壇し、どのように自身のキャリアが変わっていったかをシェアしました。彼女は車いすを使いながら無経験で新たな挑戦をし、今ではチームリーダーとして社員の育成や数値管理を行っています。彼女のストーリーは、多くの参加者に希望を与えるものでした。
マネーフォワードの取り組み
一方、マネーフォワードでは、障害者雇用を通じて3.18%という高い雇用率を実現しましたが、その背景には「雇う」意識から「ともに働く」への意識の転換があると石井氏は述べました。また、障害者に対する合理的配慮やキャリアアップの支援も重要視されていて、柔軟な働き方を可能にする環境作りが強調されました。
クロストークから学ぶ
イベントの後半では、オリィ研究所の牧野さんとマネーフォワードの功刀氏がクロストークを行い、それぞれのキャリアの変化や挑戦について語り合いました。双方の話を通じて、定期的な1on1の重要性や、オープンなコミュニケーションが働くモチベーションに繋がることが明らかになりました。
質疑応答からの気づき
参加者は「障害者雇用によってどのような価値が生まれるのか」というテーマについても議論しました。障害のある方々が働く環境が整うことで、オープンマインドが促進され、相互理解が深まると石井氏は述べました。これにより、個人の軸だけでなく会社全体の成長に繋がるのだと強調しました。オリィ研究所も、様々な背景を持つ人々が共に働く環境を大切にし、小規模からの実践を進める意向を示しました。
今後の展望
オリィ研究所とマネーフォワードの取り組みは、障害者雇用における新たなモデルを示すものです。これらの活動を通じて、障害を持つ方々が支え合い、より良い環境で働ける未来を築いていくことが期待されています。障害者雇用を「支える/支えられる」という単純な関係から、共に価値を創造する体制へと移行することが求められているのです。今後の二社の活動から目が離せません。