国産原材料の切替が進まない理由と農水省の新支援策
最近の調査によれば、国産原材料への切替を検討した中小食品製造業者の約76%が、その実行に至っていないという結果が示されました。この現象は、食品業界における「産地との分断」に起因していると言えます。国産素材の利用促進を目指す中、価格や供給の不安要素が企業の足かせとなっています。
調査概要
株式会社アカネサスが中小食品製造業者50社を対象に行った「国産原材料への切替に関する調査」によると、国産材料を検討した企業のうち、実際に切替を行ったのはわずか24%とされています。具体的な調査結果を見てみましょう。
調査結果
- 検討した: 76% (38社)
- 実行した: 24% (12社)
- まだ実行できていない: 52% (26社)
- 原材料価格が高い: 80%
- 安定した調達への不安: 45%
- 社内リソースの不足: 40%
- 産地との直接取引が無い: 38%
これらの結果から、価格の問題だけでなく、持続的な供給の不安や、産地との関係性が薄いことが、国産原材料の利用促進を阻害していることが分かります。
農水省の支援
これらの問題を克服するために、農林水産省は令和7年度補正予算に約50億円を計上し、「持続的な食料システム確立緊急対策事業」を実施します。本事業は、単なる経済的支援に留まらず、産地との連携を強化することを重点に置いています。
事業の概要
- - 予算額: 約50億円
- - 対象: 産地連携計画を作成した食品製造事業者
- - 補助率: 1/2以内
この事業では、以下のような支援が行われます。
- - 産地への農業機械や資材の提供
- - 国産原材料の取扱量が増加するための設備導入
- - 国産素材を用いた新商品の開発
今後の展望
本事業の導入によって、国産原材料の利用が促進され、食品製造業者と農業生産者との接点が増えることが期待されます。これにより、安定した供給体制や、地域経済の活性化のための基盤が築かれるでしょう。
結論
株式会社アカネサスの北條代表は、「この事業は、産地との分断を解消するための重要なステップです。補助金の募集期間が非常に短いため、今が産地との連携体制を構築するチャンスです」と述べています。
急速な対応が求められる中、中小食品製造業者は、日本の食料システムの強靭化を進めるためにも、積極的に国産材料への切替を検討していくべきです。