群馬県みなかみ町が、2025年4月9日に公益財団法人日本自然保護協会から「ネイチャーポジティブ自治体認証書」を受け取ることとなりました。この認証は、生物多様性の保全や自然の回復に積極的に取り組んでいる自治体に対して与えられるもので、みなかみ町の努力が高く評価された証と言えるでしょう。
授与式は町役場にて行われ、町長の阿部賢一さんが日本自然保護協会の理事長、土屋俊幸さんから認証書を受け取りました。阿部町長は、「私たちの取り組みが正しい方向性であったことが認められ、喜ばしい」と述べ、みなかみ町の自然が地域全体の財産であり、誇りである旨を強調しています。また、今後も持続可能な形で自然と共存を目指していく意向を表明しました。この認証取得は、町制20周年を迎えるみなかみ町にとって新たなスタートとなる意味を持っています。
みなかみ町は、利根川の源流が流れる豊かな自然環境が特徴です。また、ユネスコエコパークに認定されていることからも、その自然の価値が評価されています。町の取り組みとしては、「みなかみユネスコエコパーク」や「谷川岳エコツーリズム」、さらには「赤谷プロジェクト」や「広葉樹産業化プロジェクト」、「ネイチャーポジティブプロジェクト」といった多様なプロジェクトを実施しており、地域の特性を活かしつつ持続可能な発展を目指しています。
「ネイチャーポジティブ」の実現に向けては、企業や専門家とも連携を取り、利根川源流域の水資源保全や一次産業との結びつきも意識しています。これにより、地域の自然を利用した解決策を提案することで、自然再生にも取り組んでいます。
特に、地元の小中学生による外来種駆除活動「かいぼり」が注目されており、生物多様性の回復に貢献しています。これは教育面においても、地域の自然に対する理解を深める良い機会となっていると言えるでしょう。
さらに、「ネイチャーポジティブ自治体認証」とは、地域が生物多様性の重要性を認識し、保全や再生に向けた計画を実行していることを日本自然保護協会が認証する制度です。認証を取得するためには、以下の四つの基準が求められます。
1. 首長によるネイチャーポジティブ宣言
2. 生物多様性に関する重要地域とその課題の特定
3. 保全と再生を持続可能に実施するための計画策定
4. 土地利用の改善、生態系サービスの促進、教育・人材育成の事業への取り組み
みなかみ町はこれらの基準をすべて満たし、認証を受けたのです。これにより、町は持続可能な未来に向けても一歩を踏み出したことになります。
今後ともみなかみ町は、地域の自然との共生を目指し、さらなる取り組みを進めていくでしょう。