酪農の未来を支える新システム「RAKUNOWA」
株式会社両備システムズは、新たな酪農支援システム「RAKUNOWA(ラクノワ) オールインワン」を2028年からクラウド版として提供することを発表しました。このシステムは、酪農家と支援組織(酪農組合や農協など)との情報共有を円滑にし、業務の効率化を図ることを目的としています。
クラウド版の概要
現在提供中のオンプレミス版から、3年後の2028年12月までにWEBブラウザを通じてアクセスできるクラウド版のシステムへ移行が計画されています。これに先立ち、2025年10月24日からはクラウド版の予約受付も開始される予定です。なお、既存のオンプレミス版を契約しているユーザーは、クラウド版への移行も可能です。
RAKUNOWA オールインワンは、酪農経営に必要な機能をパッケージ化した唯一のクラウド版システムとして、全国に展開される計画です。これにより、業界全体のシステム標準化が進み、ロボットやIoT技術との連携も実現し、デジタル化が加速します。
新アプリ「RAKUCOLLE+」の登場
さらに、酪農家にとって便利なアイテムとして登場するのが、スマートフォンアプリの「RAKUCOLLE+(ラクコレプラス)」です。このアプリを使用して、集乳量の入力や支援組織間でのリアルタイムなデータ共有が可能となります。2026年12月までにサービスが開始される見込みです。
この機能により、集乳作業の効率が向上し、記録ミスを防ぐことができると期待されています。
酪農の現状と課題
近年、酪農業界は厳しい状況が続いています。飼料価格の高騰や円安によるコスト増、人件費の上昇、酪農家の高齢化などの要因が影響し、全国の酪農家は年々減少しています。また、スマートな酪農技術の導入が求められる一方、旧式のシステムが足かせとなるケースも多く、データの統合や運用の難しさが課題となっています。
こうした背景から、クラウドシステムによるデータの一元管理と標準化が急務とされています。
RAKUNOWAの機能とメリット
RAKUNOWA オールインワンは、以下のような機能を提供します:
- - 乳代精算
- - 購買管理
- - 牛取引管理
- - 診療記録や検査結果の配信
- - 乳量データ収集など
これらの機能により、酪農家や支援組織の業務が効率化され、データ管理の正確性が向上します。導入により月次の乳代精算処理時間が50%以上削減されるとのデータもあり、業務の効率的な運営が実現可能です。
まとめ
酪農は日本の食料産業の重要な部分を担っていますが、現状は多くの課題を抱えています。RAKUNOWAとRAKUCOLLE+の導入により、これらの課題を克服し、生産性の向上が期待されています。今後の酪農の未来を担う新しいシステムに多くの注目が集まっています。