体験の価値が変わる時代:刺激を求める生活者の新たな動向
最近、私たちの生活の中で体験の価値がみるみる変わってきていることを実感します。リサーチとプランニングを手がけるQO株式会社の最新レポート「生活者見立て通信#016」では、特に「変わりゆく体験価値・コト消費」とその背後にあるトレンドに注目しています。日常的に楽しむ消費から、より一歩進んで、特別な経験や意義を求める方向へシフトしているのです。
1. 特別な関係性の拡大
レポートによると、特に「推し活」やファン活動のニーズが高まっているとのことです。コロナ禍で一時的に縮小したオタク市場は、今や2023年には8,000億円を超える市場規模になると見込まれています。調査結果では、3人に1人が「推し」がいると回答しており、ブランドや対象との特別な結びつきを求める層が増加しています。
このような背景から、従来の均一な経験よりも、自分だけの特別な体験に対する関心が高まっていることが伺えます。たとえば、近年はセルフホスピタリティが支持されるようになり、2024年9月には「seven x seven」という新コンセプトホテルが岩手にオープン予定で、滞在価値を重視した自由な体験が話題を呼んでいます。
2. 自分らしい体験への嗜好
レポートの中でQOプランナーは、現代においては、単に便利な存在よりも手間がかかるもの、つまり愛着が生まれるような体験の方が好まれると指摘しています。人気のロレックスの購入を巡る「ロレックスマラソン」のように、手間をかけて得ることでその価値を一層感じる仕組みです。
3. 心を動かす体験設計
QOプランナーの見立てでは、「好きな人からの挑戦状」が心を動かすスイッチであるとされます。これは、単なる消費を越え、愛着や感動に繋がる体験を設計することが大切であるとのことです。Z世代を対象にした検証調査では、この見立ての共感度が62.1%という高い数値に達し、体験における充足感を重要視する声が多く寄せられました。
4. ニーズの変化に対応したマーケティング
QOが提唱するように、今後の生活者との関係構築には、ユニークな体験設計が不可欠であると考えます。モノや情報が溢れる時代においては、万人向けの型にはまらない、特別な体験が求められます。これにより、消費者がその体験に対して愛情を持つようになり、ひいてはブランドへの忠誠心にも繋がるでしょう。
5. QO株式会社について
QO株式会社は、長年にわたりさまざまな企業と協働し、そのビジネス課題やマーケティングの支援を行っています。今回のレポートに関する詳細は、公式サイトやお問い合わせフォームからご覧いただけます。レポートのPDF版も公開中ですので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
このように、生活者の嗜好や行動が変わっている中、企業が今後どのようにそのニーズに応えられるかが向かうべき道です。