アネシスMILJØプロジェクト発表会が開催
2025年6月3日、熊本県熊本市の九州大学大橋キャンパスにて、「アネシスMILJØプロジェクト」に関する発表会が行われました。このプロジェクトは、環境活動を“地球に沿う”というテーマでまとめたもので、株式会社アネシスが主催しました。主催者の株式会社アネシスからは常務取締役の薮内真由美氏、九州大学からは芸術工学研究院の准教授である木藤健二郎氏が登壇し、プロジェクトの詳細について発表しました。
プロジェクトの背景と目的
アネシスMILJØプロジェクトの「MILJØ」はノルウェー語で環境を指し、地域や地球環境に配慮した新たな住宅づくりを目指しています。薮内氏は、「商業的な価値のみならず、持続可能な環境保全にも注力したい」と述べ、プロジェクトの意義について強調しました。
プロジェクトの背景には、以下の3つの課題が存在します。第一に、地下水の保全が必要であること。第二に、SDGsや災害対策の認知度を高め、見えない価値を伝えること。第三に、分譲地や住宅本体の価値を向上させることです。これらの課題解決を目指し、「アネシスMILJØプロジェクト」が立ち上がりました。
土中環境の可能性
木藤氏からの発表では、分譲地開発における「土中環境」の新しいアプローチが提案されました。特に土壌の水の流れを改善するために、「土中の水のみち」と「地表の水のみち」に関する計画が示されました。これにより、災害に強い健全な環境が実現できると期待されています。
土中の水のみちを実現する方法としては、杭を打って石や藁を詰める手法や、「雨庭」を作ることが具体例として挙げられました。これにより、土壌に水や空気がしみ込みやすくなり、植物が育ちやすい環境が整います。こうした取り組みにより、場合によっては水害のリスクも軽減されるのです。
地表の水の流れについても、従来の側溝に雨水を集中させる手法を捨て、住宅地全体に水を分散させる形式に転換することで、都市型水害のリスクを低減しようとしています。
実証モデルハウスの紹介
発表会の最後では、薮内氏が実証モデルハウス及び分譲地についての詳細を紹介しました。
2025年6月には、熊本市北区飛田に完成予定の「シャルムコート北区飛田7号地モデルハウス」が特に注目されています。このモデルハウスは、土に杭を打ち込んだり、雨庭を設けることで、「水のみち」をデザインしています。
今後の展望
また、2025年8月には「アクアガーデン富合」も完成予定で、分譲地全体でMILJØのコンセプトに基づいたデザインが施される予定です。全9区画から成るこの住宅地では、雨水の浸透を促進する手法や、ウッドフェンスの導入が具体的に計画されています。
発表後の質疑応答は非常に活発で、多くの参加者が熱心に質問を投げかける様子が見られました。その中で、多くの期待が「アネシスMILJØプロジェクト」に寄せられ、環境に優しい持続可能な住宅地の構築に向けた意義深いステップが確認された発表会となりました。