新品種『瑞帆(ミズホ)』の紹介
久留米原種育成会は、きゅうりの品種開発を約60年にわたり手掛けており、常に農業従事者に喜ばれる品種の開発に取り組んできました。今回発表された新品種『瑞帆(ミズホ)』は、複合耐病性を持つもので、うどんこ病、褐斑病、べと病に強く、きゅうり生産者の方々にとって大きな支持を受けることが期待されます。
複合耐病性の必要性
dここ数十年、きゅうりの栽培において病気の蔓延は悩みの種でした。これまで病気に強い品種の開発は行われてきましたが、多くの場合は特定の病気に対する耐性が強いため他の病気に対しては脆弱でした。その中で、複数の病気に同時に強い品種を開発することが長年の課題でした。
十年以上の研究の結果、待望の複合耐病性を持つ『瑞帆』が誕生しました。これにより、農薬の使用回数を減らすことができ、労力の削減にもつながります。特に、農薬散布の回数が少ないことは、持続可能な農業を志向する生産者にとっても大きな利点です。
安定した果形と秀品率
『瑞帆』は初期からの果実肥大が優れており、長期にわたる安定した果形を持つため、秀品率が高いのが特徴です。果実は深い緑色をしており、色つやも良好で、箱詰めの作業も容易です。また、主枝の雌花率が50%から60%と高く、これにより中国果実の急成長も期待できます。果実は出口も良く、栽培の最初から最後まで「A品率」を維持しやすいのです。
幅広い栽培方法に対応
『瑞帆』は多様な作型に適応可能で、抑制栽培や越冬栽培、つるおろし、半促成、雨よけ栽培など、様々な栽培スタイルで成功を収めています。これにより、作業の効率化が可能となり、農業に携わるすべての人々にとっての「最強のパートナー」と言えるでしょう。
収穫と栽培ポイント
収穫時期の管理が成功の鍵となるため、収穫の際は急がずに半放任を心掛け、混み合った部分から適切に摘葉して、十分な光と風を確保することが大切です。また、定植後は肥料や水分を切らさないようにし、スムーズに育てることが求められます。
昨年の試験栽培では、関東地区でご協力いただいた生産者全員が『瑞帆』の導入を決定する成功をおさめました。このことからも、品種に対する期待がどれほど高いかが伺えます。
今後の展望
詳しい情報はYouTubeで紹介されており、農業関係者や生産者の皆様にお勧めしています。質の高いきゅうりを栽培したい方は、ぜひ『瑞帆』を試してみてはいかがでしょうか。農薬散布の回数を少なくし、安定した収穫を目指す方には特に魅力的な選択となるでしょう。
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