2026年施行のカスタマーハラスメント対策とは
2026年10月1日より、改正労働施策総合推進法が施行され、顧客からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメント(カスハラ)に対し、全事業主が雇用管理上の措置を講じることが義務付けられます。本法の施行により、企業はカスハラに対する具体的な対策を講じなければならなくなります。
カスハラの実態
厚生労働省の調査によると、カスハラに関する相談件数は増加傾向にあり、調査対象の企業の23.2%が「増加している」と回答しました。一方で、パワハラやセクハラに関する相談件数は減少しています。これは、カスハラが他のハラスメントに比べ、適切な対策が遅れていることを示唆しています。そのため、一部の企業では対策がまだ整っていないというのが現状です。
カスハラ防止のための企業の取り組み
乗っ取りの調査からわかるように、95.2%の企業はパワハラに対策を講じていますが、カスハラに関しては僅か64.5%の企業が対策を行っているだけです。特に、従業員99人以下の企業の間では、42.5%が対策を取っていないことが明らかになっています。労働者の71.1%が自社のカスハラ対策について「特にない」と回答していることも、労働環境の改善が急務であることを示しています。
働く現場の負担
カスハラに対応した後、38.2%の人々が「社内の上司に相談した」と回答していますが、35.2%は「何もしなかった」としています。このように、現場の従業員が抱く諦めの気持ちが多くの問題を深刻化させています。特に、記録のための証拠を集めることが難しく、対策が功を奏しない状況が続いています。
新たな技術の登場
スタンダード・リンク株式会社(トヨタに本社を置く)は、カスハラ対策に役立つ「ハラスメント検知記録装置」の特許を取得しました。この装置は、衣服に装着可能で、顧客からの迷惑行為を検知するための音声データや画像データを集めることができます。特許登録が施行日の1年以上前に行われたことから、技術の実装が既に進められていることが伺えます。
このハラスメント検知装置は、対象となる行為を記録し、問題となる事案の証拠として機能します。パワハラやセクハラだけでなく、カスハラの事例にも特化した設計であり、企業がリアルタイムで問題を把握しやすくなります。
人を監視するのではなく、守るために
この技術は、単なる監視ツールではありません。企業が働く従業員を守るための手段として開発されています。現場でのカスハラを未然に防ぎ、発生した場合には適切に対処するため、従業員が安心して働ける環境を目指すものです。この取り組みは、カスハラ対策における一つの解決策となるでしょう。
共創パートナーの募集
スタンダード・リンク社は、ハラスメント対策装置の社会実装に向けた共創パートナーを募集しています。連携の形は、実証実験に参加したり、技術を組み込むメーカーと協力したり、事業化に参加したりすることが想定されています。これにより、より多くの企業がカスハラ対策を行えるようにつながります。
今後の企業にとって、カスハラ対策は必須の取り組みとなります。技術の進化によって、より多くの企業が有効な対応を行えることが期待されています。