口腔ケアで医療費削減
2022-06-14 13:51:02
誤嚥性肺炎ゼロを目指す口腔ケアプロジェクトの医療費削減効果とは
誤嚥性肺炎ゼロを目指す口腔ケアプロジェクト
高齢者の誤嚥性肺炎を減少させることを目指している株式会社クロスケアデンタル。福岡市を拠点に、介護現場での口腔ケアの重要性を訴え、「誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト(ゼロプロ)」を展開しています。この取り組みは、結果として2022年までに約23億円の医療費削減を生み出すことが見込まれるなど、注目を集めています。特に、コロナ禍により一時的に中断していたにもかかわらず、提供しているサービスが持続的な社会的影響を及ぼす可能性が高いことを示しています。
ゼロプロの概要と成果
ゼロプロは、介護施設に対する口腔ケアの普及を通じて、高齢者の誤嚥性肺炎の予防を目的としています。このプロジェクトに参画している89の介護施設における初年度の成果は非常に顕著で、特に上位10施設では肺炎による入院日数が54.1%も減少しました。
具体的には、肺炎による年間入院日数が取組前の5,764日から、取組後には2,644日にまで減少。これにより、医療費が約1.5億円削減され、全体で約2.6億円に達する見込みです。これらの数値からも、ゼロプロの進展が高齢者医療のコスト削減に大きく貢献することが証明されています。
誤嚥性肺炎による深刻な影響
厚生労働省の資料によると、肺炎及び誤嚥性肺炎は死亡原因の上位に入る非常に深刻な疾患です。特に、介護施設に入所している高齢者にとっては、肺炎が長期入院につながり、そのまま命に関わる事例も珍しくありません。それゆえ、正しい口腔ケアがいかに重要かは、医療現場でも広く認識されています。
クロスケアデンタルは、正しいプロセスで口腔ケアを行うことで、誤嚥性肺炎の発生を未然に防ごうとしています。花粉症やインフルエンザの流行で多くの高齢者が口腔ケアを怠る中でも、ゼロプロは集中的に支援を行ってきたのです。これにより、地域においても持続的なソーシャルインパクトを実現していくことを目指しています。
今後の展望
今後、クロスケアデンタルは、地域の行政機関や大手企業との連携をさらに強化していく方針です。これにより、ゼロプロの普及を拡大し、医療費削減効果を最大化することを計画しています。特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、全国で約49,500施設が認識を持てば、年間約1兆円の医療費削減が可能との試算も出ています。
このような活動は、介護現場だけでなく、日本全体の医療費問題にも寄与するでしょう。高齢者を守るために、誰もが実践できる口腔ケアの重要性を再確認し、さらなる連携と支援を促進することが求められています。
企業情報
株式会社クロスケアデンタルは、2018年に設立され、福岡市を拠点に口腔ケアに特化した事業を展開しています。代表は歯科医師の瀧内博也氏で、研究と実践を通じて社会に貢献しています。公式ウェブサイトもあり、様々な情報提供を行っています。
会社情報
- 会社名
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株式会社クロスケアデンタル
- 住所
- 福岡県福岡市中央区大手門1-6-3大手門館301
- 電話番号
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092-986-9600