ポーランドパビリオンの魅力
ポーランドは、中欧の豊かな自然環境に囲まれた国で、古くからハーブ文化を育んできました。この文化は、暮らしの中での健康や美を追求する知恵として、今も多くの家庭に息づいています。
ハーブと共に過ごす暮らし
ポーランド政府副代表のマリア・オストロフスカさんは、日常生活におけるハーブの重要性を強調します。頭痛や腹痛などの体調に合わせて異なるハーブティーを楽しんだり、オーガニックで育てたハーブを料理に使用することは、ポーランドの日常に深く根付いた習慣です。
毎年8月に行われる「聖母マリアハーブの日」や、夏至にはハーブを焚いたり花冠を川に流す「ソブトカ」が有名で、これらはポーランドの豊かなハーブ文化を象徴する祭りです。化粧品や料理、健康に至るまで、ハーブは幅広い分野で活用されています。
日本もまた、ミントやパセリをはじめとする様々な植物を用いた独自のハーブ文化を持っています。「春の七草」や「冬至のゆず風呂」といった伝統的な慣習は、和ハーブの知恵を今に伝えています。両国のハーブ文化の共通点は、自然との共生を大切にする姿勢にあります。
パビリオンの展示と体験
2025年の国際博覧会でのポーランドパビリオンのテーマは「ポーランド。未来を切り拓く遺産」です。伝統と現代技術を融合させた展示を通じて、ポーランドの自然や文化がどのように未来を築いていくのかを示しています。
展示は二階から一階にかけて巡りますが、各階で独自に調合したハーブの香りが来場者を迎えます。二階ではポーランドのハーブ文化を紹介する「心象の緑」というエリアがあります。ここではポーランドで親しまれるハーブを日本の「春の七草」と対比しながら紹介したり、来場者自身がデジタルでオリジナルハーブを作成する体験ができる「スピリットプラント」を楽しめます。
加えて、ショパンの音楽に合わせて動くブラシのインスタレーション「オーラ」や、四季折々の植物をガラス玉に収めたアート作品など、視覚と嗅覚の両方でポーランドの文化を感じることができます。
創意の園 – 未来を担う産業を紹介
一階の「創意の園」では、ポーランドの革新技術と文化を強調した展示が行われています。化粧品や製薬、ゲーム産業など、多岐にわたる分野が紹介されており、特に「ウィッチャー」や「サイバーパンク2077」などの人気ゲームへの焦点が当たります。
ポーランドのゲーム産業が生み出すクリエイティブな力を、来場者はさまざまな視点から体験することができます。
ナショナルデーの特別プログラム
10月1日には、ポーランドのナショナルデーが開催され、合唱団や伝統舞踊の披露、多彩な文化プログラムが行われます。来場者は、ポーランドと日本の国歌に触れたり、ゲームフェスティバルに参加したり、ポーランドの伝統文化をより深く理解する機会が提供されます。
まとめ
ポーランドパビリオンで体感できるハーブ文化や自然との共生は、私たちの未来の暮らしを見つめ直す良いきっかけとなるでしょう。伝統を感じながらも革新を追求するポーランドの姿勢は、多くの人に新たなインスピレーションを与えるに違いありません。