ラストラボ、業務効率化の新たなステージへ
東京都新宿区に本社を置く株式会社ストックラボが手がける革靴専門のリユースブランド「ラストラボ」は、タスク管理ツール「Backlog」を中心に据えた新しい業務プロセス、いわゆる“開発・運用一体化(Dev & Ops Integration)”の導入を進めている。この取り組みは、無駄な工数を削減し、その削減分を買取価格に還元するためのものだ。
背景と課題
革靴の査定は非常に複雑で、ブランドやモデル、サイズ、状態、修理履歴など、多くの要因が価格に影響を与える。さらに季節や為替、海外市場の動向など、外的要因も常に変動している。ラストラボはこれらの要因を踏まえ、お客様が迅速に判断できるようにするため、肉体とは言えない迅速な改善作業に取り組んできた。
一方で業務の裏側では、さまざまな非効率が慢性化していた。情報が分散していることで、要件と実装が異なる場所に保管されているため、再度の説明や問い合わせ後の追跡が必要になる。これにより、本来の業務にかけられる時間が削られてしまうという問題があった。
新しい試みの概要
ラストラボの新しい業務プロセスは、主に四つのステップに分かれている。まず、要件からタスクへの分解を定型化することで、PRDテンプレートが作成される。これによって、各タスクにおける受入基準が明文化され、担当者を明示することで業務の透明性が向上する。
次に、レビューや検証を前倒しで設計し、Pull RequestとBacklog課題を相互リンクさせてチェックリスト化する。さらに、検証SQLの雛形を配布することで、検証準備の属人化にも対応。しかしそれだけでなく、速度やパフォーマンス観点を受入基準として明文化することで、全体的な品質が改善されることを目指している。
三番目には、運用手順を標準化することで共通の理解を持つことを重視している。リリースノートやロールバック手順の記録をBacklogに起票することで、情報の一貫性を確保することができる。これにより、店舗やお客様への説明が容易になり、問い合わせ時の混乱を軽減することが期待されている。
最後に、削減できたコストを“ユーザー還元枠”としてルール化。スプリントごとに時間を集計し、得られたコストを買取価格の上振れとして積み立てていく。このように、ユーザーへの還元を第一に考える姿勢が、ブランドの信頼性を高める一因となるだろう。
ストックラボ代表のコメント
株式会社ストックラボの代表である尾太 駿氏は、「価格を上げる前に、裏方のムダを消すことが重要です。Backlogを現場の“単一の真実源”とし、重複や後追い調査を圧縮しました。生まれた原資はユーザーの手取りに回すことができ、革靴は情報密度が価値を決めるため、迅速かつ正確な査定体験を提供することに力を注いでいます」と強調している。彼の言葉からは、透明性と顧客重視の姿勢がはっきりと伺える。
会社概要
ストックラボは、2014年に設立され、リユース事業を中心に展開しており、革靴やお酒の買取・販売に特化している。「新しいモノと昔からのモノをつなぎ、価値を再発見する」が企業理念であり、ネットと実店舗の両方で顧客のニーズに応える取り組みを行っている。ストックラボの革靴専門店『LASTLAB(ラストラボ)』では有名ブランドの高い品揃えを誇っており、買取サービスも好評を得ている。
お酒の安売りも行っており、特にSAKEYASU(サケヤス)では顧客から直接仕入れを行い、業界最安値の価格を提示している。これらの多角的な戦略が、ストックラボの成長を支えている。
このようなラストラボの新しい取り組みが、今後どのような成果を生むのか。革靴市場の変化を見逃さないよう、今後の動向に注目が集まる。