腎臓病・糖尿病患者のための薬剤師活用実態調査結果を発表

腎臓病・糖尿病患者の薬剤師活用状況調査

腎臓病（CKD）や糖尿病は、現代の医療において重要な課題となっています。これらの慢性疾患を抱える方々の治療においては、適切な薬の管理が不可欠です。その中で、「かかりつけ薬剤師」制度は、治療と生活の質を向上させる上で非常に重要な役割を果たしています。

今回、腎臓病や糖尿病患者を対象に行った調査によって、お薬手帳と薬剤師の利用実態が明らかになりました。調査は2024年5月30日から6月27日までの間、ウェブアンケート形式で実施され、118名の有効回答を得ました。調査の結果、以下の重要な点が浮かび上がりました。

調査結果の要約

お薬手帳の利用率

調査によれば、慢性疾患を持つ患者のお薬手帳の利用率は高く、9割以上の方が利用しています。これは、一般的な内閣府の調査結果である7割を大きく上回っています。この結果は、慢性疾患を抱える患者において、薬の適正管理への意識が高まっていることを示しています。

かかりつけ薬剤師の存在

かかりつけ薬剤師がいるという頭数は、2020年の内閣府調査では7.6%でしたが、今回の調査では約4割に上りました。また、健康意識が高い方々はかかりつけ薬局を設ける傾向があり、多くの方が一つの薬局を選択している結果が出ています。特に、調査の結果からは、薬局の距離や専門知識が選定のポイントであったことが伺えます。

薬剤師が果たす役割

多くの患者が、調剤を行う際に何らかの病気についてきちんと伝えることに配慮しており、薬剤師には多様な医療者の中でも特に信頼を寄せていることが分かりました。薬剤師は、患者の健康維持のためになくてはならない存在であると強く感じられています。

調査の意義と今後の展望

この調査結果から特に注目すべきは、腎臓病や糖尿病を持つ患者にとって、薬剤師や薬局がどれほど重要であるかが再認識された点です。薬の管理に関しては、自己管理が重要になりますが、かかりつけ薬剤師との連携がその成功のカギを握っています。

腎臓病患者にとっては、腎排泄性薬の副作用や薬剤同士の飲み合わせのリスクが常に伴います。このため、より効果的な薬剤師の連携やお薬手帳の利用が、健康管理の質を向上させることが求められます。今後、これらの調査結果を基にした具体的な施策浸透が重要となるでしょう。薬剤師とのより密接な関係が、腎臓病および糖尿病ケアの新たなスタンダードとなることが期待されます。