発達特性を持つ子どもの困りごとと支援
最近、株式会社パステルコミュニケーションの運営する「パステル総研」が実施した「子育ての困りごとアンケート2025」によって、発達特性を持つ子どもたちの困りごとの実情が明らかになりました。調査に参加した152名の保護者のうち、99.3%が子どもに何らかの「困りごと」があると回答。最も多かったのは「嫌なことは避ける、やろうとしない」というもので、51.7%がこれに該当しました。この数字は発達障害やそのグレーゾーンにある子どもを育てる家庭に共通の悩みを映し出しています。
調査の背景と目的
子育ての悩みに関する調査は年々増加傾向にあり、文部科学省の調査では、ヒアリングから約7割の保護者が何らかの不安を持っていることが示されています。これはコロナ禍による影響も考慮されますが、発達特性を持つ子どもを抱える親たちは、特に「しつけや接し方」に試行錯誤を重ねている現状があります。
パステル総研では、発達障害を持つ子どもたちが抱える「理解されない」という声に耳を傾け、親子が共に笑顔で過ごせるヒントを提供することを目的としています。そのために、親たちの声を集めたアンケートを通じて、具体的な支援方法を探ることにしました。
子どもたちの困りごとランキング
今回の調査では、発達特性を持つ子どもたちの困りごとをランキング化しました。その結果、以下のような結果が得られました。
1.
嫌なことは避ける、やろうとしない (51.7%)
- これは「好きなことだけ集中する」傾向が影響しているとされています。
2.
不安が強い (50.9%)
- 「学校に行くと体が動かなくなる」「知らない場所へ行くのが怖い」といった具体的なエピソードも見受けられます。
3.
片づけない (44.4%)
- これは注意が散漫になっていることや、片づけ方がわからないことが影響しています。
発達タイプによる困りごとの違い
調査は、発達タイプによって統合的に分析されました。自閉スペクトラム障害を持つ子どもたちの中では、不安や感覚過敏といった特性が強いことがわかり、特に強いストレスを感じやすい傾向にあります。また、感受性が高い子どもたちも、周囲の刺激に敏感で疲れやすいことが挙げられています。
お母さんたちの取り組み
アンケートに参加した母親たちは、自身の困りごとに対してどのように向き合っているのでしょうか。最も多かった回答は「子どもができていることを褒める」というもので、86.3%の方が実践しています。次に「子どもの話を聞く」「共感する」が続き、子どもたちの気持ちを理解しようとする意識の高さが伺えます。
学びと今後の展望
今回の調査結果から、発達特性を持つ子どもたちが抱える困りごとは「やりたくないわけではなく、できない」という視点で捉えることが重要であるとわかります。彼らにはそれぞれの特性を理解し、適切なサポートをすることで、より良い環境を提供することができるでしょう。
パステル総研では、今後もこのような困りごとの解決に関する情報を発信していきます。また、ニコットライブでは、発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てる親向けに、実践的な内容を提供する機会があります。興味のある方はぜひ参加してみることをお勧めします。
調査結果や詳細については
パステル総研のウェブサイトをご覧ください。