次世代電池の新素材
2022-05-31 10:00:17
次世代電池を支えるカーボン新素材『グラフェンメソスポンジ』の挑戦
3DCが切り拓く次世代電池への道
2022年2月に設立された株式会社3DCは、東北大学発のベンチャー企業として、革新的なカーボン新素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」の開発に注力しています。このGMSは、既存のカーボン材料の限界を乗り越える可能性を秘めた素材であり、次世代電池やキャパシタ、燃料電池などの電極としての特性が大いに期待されています。
GMSの特長とその革新性
GMSは、ほぼ炭素1原子分の厚みで形成された三次元のスポンジ構造を備えています。この構造により、従来のグラフェン材料が抱えていた耐久性や製造コストの課題を解決することに成功しました。特に、GMSはその柔軟性により、電池の充放電時に発生する構造の変化に柔軟に対応できる特性を持っています。
この新素材は、化学的および物理的な耐久性に優れており、電池の長寿命化に寄与します。バックグラウンドには、東北大学の西原洋知教授の15年以上にわたる研究があります。GMSは、特許も取得しており、従来のカーボンブラックよりも高い比表面積を有するため、電池の高容量化にも寄与することが期待されています。
サステナビリティへの貢献
近年、2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けて、企業の脱炭素化が加速しています。GMSを使用した電池の開発はその一環として、リチウムイオン電池や燃料電池、さらに次世代電池の実用化を加速する重要な要素となるでしょう。特に、持続可能な資源使用を可能にする材料として、GMSの利用価値は計り知れません。
資金調達による研究開発の拡充
最近、3DCはリアルテックファンドからの資金調達を実施し、この資金をGMSの製品開発やマーケットへの早期投入に活用する予定です。この支援により、国内外のさまざまな業界と提携し、電池や機械、自動車メーカーとの共同研究を進め、技術の商業化を目指しています。
未来へ向けた挑戦
3DCの代表取締役CEOである黒田拓馬氏は、「アカデミアから産業を活性化させる事業を生み出したい」との思いを持ち、革新的な素材の社会実装に取り組んでいます。今後も、GMSを通じて日本から世界へ向けた次世代インフラの構築が期待されます。
企業情報
本社は宮城県仙台市に構え、アカデミアと連携した研究開発が行われています。共同研究や採用に関心がある方は、公式サイトやメールにて問い合わせることができます。
まとめ
3DCが開発した「グラフェンメソスポンジ」は、次世代電池の革新を促進する素材として、大きな可能性を秘めています。持続可能な社会の実現に向け、今後の展開に目が離せません。
会社情報
- 会社名
-
株式会社3DC
- 住所
- 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1国立大学法人東北大学 産学連携先端材料研究開発センター
- 電話番号
-
022-797-8073