「ネット世論」の真実を探る新著が8月9日に発売
現代社会において、ソーシャルメディア上の意見やトレンドは、政治や社会に与える影響が無視できないものとなっています。数年前から、テレビやニュースメディアでは「ネットの声」を積極的に取り上げるようになり、政府や政治家までがその影響を意識するようになりました。しかし、見た目だけで判断するのは危険です。実際、ネット上での多数派の意見が、必ずしも投票結果や支持率に直結するわけではありません。この現象には、どのような理由が隠されているのでしょうか?新著の『「ネット世論」の社会学データ分析が解き明かす「偏り」の正体』がこの問いに挑戦しています。
本書の目的と内容
本書は、ネット世論の形成メカニズムやその実態を、詳細なデータ分析を通じて明らかにすることを目指しています。著者の谷原つかさ氏は、実際に行われた国政選挙や大阪府知事選に関する豊富なX(旧Twitter)のデータを取り扱いながら、日本におけるネット世論の特性を探求しています。
本書の構成は次の通りです:
- - はじめに
- - 第1章 「偏り」はなぜ生まれるのかネット世論の構造
- - 第2章 データが示す実態ネット世論の分布
- - 第3章 なぜ少数派の意見が大きく見えるのかネット世論の正体
- - 第4章 ソーシャルメディアは社会を変え得るかネット世論の希望
- - 第5章 フェイクニュース時代の歩き方ネット世論と向き合う
- - あとがき
著者は、ネットの意見の中に潜むバイアスや偏見を排除するために、定量的なアプローチを重視しています。これは、ネット世論が日本社会においてどのように作用しているかを明らかにするために欠かせないプロセスです。特に、第3章では少数派の意見がなぜ目立つのか、その背後にあるメカニズムについて詳しく探求しています。
著者のプロフィール
谷原つかさ氏は、立命館大学産業社会学部の准教授であり、計量社会学やメディア・コミュニケーション論を専門としています。東京大学経済学部卒業後、中央官庁に勤務した経験を持つ彼は、2022年に慶應義塾大学大学院社会学研究科から博士号を取得しました。2018年には関西社会学会大会で奨励賞を受賞しており、その実績は非常に豊富です。
商品情報
本書は2024年8月9日に発売予定です。NHK出版新書725として、定価1,023円(税込)で提供され、256ページの内容となっています。興味のある方は、事前予約も可能です。以下のリンクで詳細をチェックしてください。
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ネット世論の構造を理解することは、今後の社会を見据える上で非常に重要です。これからの政治や社会運動、さらにはメディアの在り方を考える一助となるこの書籍を、多くの人に手に取っていただきたいと思います。