SGシステム株式会社が2024年11月より新しいバージョンの「Biz-AI×OCR」サービスをリリースしました。このサービスは、AI技術を用いた光学的文字認識(OCR)プラットフォームで、特に給与支払報告書に特化しています。これまでのバージョンに比べて、非定型エンジンおよびAI-OCRエンジンの改良により、全項目平均で99.1%の高い読み取り精度を達成しています。さらに、利用者からのニーズが高かった「総括表」の読み取りが可能になるなど、機能が追加されています。
新たに導入されたファイルレイアウト変換ツールや、読み取り結果を確認・修正しやすいエントリーシステムも注目の特徴です。これによりデータ入力の効率が大幅に向上し、特に繁忙期においては、業務負荷の軽減が期待されています。新機能の「ファストエントリー機能」では、AIによる信頼度が高い項目は確認不要とし、信頼度が低い項目のみを重点的に確認する手法が採用されています。これにより、職員の業務ストレスを軽減し、スムーズな入力作業が実現されます。
「Biz-AI×OCR」のサービスは、住民税を算出するために事業者が自治体に報告する給与支払報告書のデータ処理において不可欠です。近年、自治体によるデータ電子化が進んでいる中で、実際の給報の利用率は2021年度附属のデータによれば61.5%に留まっています。特に給報は自治体ごとにフォーマットが異なるため、非定型帳票のAI-OCR化が難しい領域でもあります。これに対処するため、SGシステムはフューチャーアーキテクトと手を組み、独自のAI-OCRエンジンによりこの課題を解決しました。
この新しいバージョンにより、今後さらに多くの自治体や事業者での採用が進むと期待されています。2023年度の読み取り実績も200万枚を超えており、業界の厳しいニーズに応え続けています。また、SGシステムはこの取り組みを通じて、地域の業務合理化や生産性向上に寄与し、今後もDXの推進に注力していく方針です。
SGシステムは、1983年に設立され、佐川急便を中核としたグループにおいて、システムインテグレーション事業、物流ITコンサルティング、決済事業、BPO事業など、多岐にわたるサービスを提供しています。今後のサービス展開にも注目が集まります。