北日本造船が導入した調達DXの成功事例
北日本造船株式会社が調達DXを導入し、大幅なコスト削減を実現した事例が注目を集めています。調達業務の効率化と透明性向上に成功した同社の取り組みを詳しく紹介します。
調達業務における課題
北日本造船は、長年の間、調達業務に関して以下のような課題を抱えていました。
可視化不足とガバナンス強化への挑戦
購買プロセスは個々の担当者のPCや私用のメールで管理されており、見積もり案件の進捗状況が非常に不明確でした。そのため、適正価格で調達できているかの判断が難しく、ガバナンスも十分ではありませんでした。
業務の属人化と非効率性
仕入れ先の選定は担当者のスキルや経験に依存しており、最適な購買を逃すリスクがありました。また、紙ベースの業務が多く、過去データを参照する際の手間が膨大で非効率でした。
DX導入による成果
このような課題を乗り越えるために、北日本造船は「リーナー見積」を導入。具体的な取り組みの一環として、「最低2社から相見積もりを取る」ルールが徹底されました。その結果、次のような成果が得られました。
コスト削減の新たな道
相見積もりを取ることで、月平均約170万円のコスト削減を実現。さらに、その取得率は90%を超える結果となりました。
可視化と透明性の確保
見積もり案件がリアルタイムで把握できるようになったことで、業務が可視化され、ガバナンスが強化されました。業務の属人化が排除され、調達の透明性も確保されています。
公平な選定プロセス
過去の取引履歴に捉われず、複数のサプライヤーに見積もりを依頼できる仕組みが確立され、最も効果的な選定が可能となりました。
組織全体のコスト意識向上
「リーナー見積」により、コストインパクトが具体的に示されたことで、部員全体のコスト意識が向上。蓄積されたデータは評価基準としても活用されています。
今後の展望
北日本造船は、今後も「リーナー見積」を活用し、消耗品などの間接材だけでなく、船の建造に関連する主要な機器への導入も計画しています。これにより、さらなるコスト削減と戦略的なサプライヤー選定を目指しています。
会社概要
北日本造船株式会社
- - 代表者:根城 信吾
- - 所在地:青森県八戸市江陽3丁目1-25
- - 設立:1969年4月5日
- - 事業内容:船舶の建造、構築用金属製品の製造及び販売、土木工事の施工、海運業など
- - 公式サイト:北日本造船
株式会社Leaner Technologies
- - 代表者:大平 裕介
- - 所在地:東京都品川区西五反田7丁目23-1 第3TOCビル 9F
- - 設立:2019年2月22日
- - 事業内容:調達業務のデジタル化を進めるソリューション提供
- - 公式サイト:Leaner
この成功事例は調達業務におけるデジタル変革の一つの典型例と言えます。今後の展開にますます期待が寄せられます。