故・宮崎淳氏の名を冠したトルコの災害センターが完成
トルコ東部のワン県に、故・宮崎淳さんの名前を冠した「宮崎淳災害調整センター」が新たに整備され、感慨深い記念式典が予定されています。このセンターの設立は、災害発生時の対応力の向上を目的としており、最新の技術を駆使した設備が揃っています。
宮崎淳さんは、2011年にトルコの地震災害において緊急支援を行っていたAAR Japan(難民を助ける会)の職員として活動していました。残念ながら、地震の影響で倒壊したホテル内で亡くなるという痛ましい結果が生じてしまいました。その際、彼の支援を受けた地域住民たちは、彼の功績を語り継ぐことを望みました。これを受けて、2021年には彼の胸像が設置された「ミヤザキ森林公園」が整備され、今なおその記憶が大切にされています。
新たに完成した宮崎淳災害調整センターは、ワン県エドレミット市のエミンパシャ地区に位置し、災害時の物資貯蔵や防災意識啓発の拠点としての役割を果たします。ワン県はトルコの地震多発地域として知られ、この地での災害対応の重要性はますます高まっています。特に、2011年に発生したトルコ東部地震では600名以上の死者を出したことからも、その教訓が今後の活動に生かされることが期待されます。
センターには、通信システムやバックアップ電源を設け、地理情報システム(GIS)を利用したハザードマップ作成ツールなどの最新機器が揃っています。これにより、地震だけでなく、大雪による雪崩などの様々な自然災害に対しても迅速に対応できる体制が整えられています。
センターの代表であるジャナン・ブトゥン氏は、「宮崎淳さんは人道支援を通じてトルコと日本の連帯を象徴する存在であり、その活動を常に記憶しなければならない」と述べ、彼の精神を後世に引き継ぎながら地域の災害対応力を高めていく決意を示しています。
記念式典は、現地時間の10日午後に行われ、AAR Japanからも職員が出席する予定です。故・宮崎淳さんの名を冠したこの災害センターは、今後の災害対応活動において重要な拠点となることでしょう。
#AAR Japanの今後の支援活動
AAR Japanは、トルコ国内において2012年から現在まで、シリア難民支援を行ってきました。また、2023年2月に発生した大地震においても、緊急支援を続けており、日々苦しむ人々のために尽力しています。地域コミュニティとの強い結びつきを大切にしながら、これからも活動を継続していくことが期待されています。