パイオニアとゼンリンが協業強化、モビリティ課題を解決するDXソリューションを提供
パイオニア株式会社(本社:東京都文京区)と株式会社ゼンリン(本社:福岡県北九州市)は、モビリティの効率化と持続可能な社会を実現するため、協力体制を強化することを発表しました。両社は、2022年8月に締結したパートナーシップ契約をもとに、さまざまな分野におけるモビリティ課題の解決に特化した新たなDXソリューションやサービスの開発を進めています。
モビリティ課題に焦点を当てた協業
最近、配送業界をはじめとするモビリティ関連の業界では、ドライバー不足、労働環境の悪化、交通事故、環境負荷など多くの課題が顕在化しています。これに対処するため、パイオニアとゼンリンは、各社が持つ技術とデータを駆使し、複数のソリューションを共同で企画、開発することに取り組んでいます。
具体的な取り組み内容
1. ルート最適化技術の導入
パイオニアの持つ高度なルート最適化技術をベースに、カーボンニュートラル技術(燃費や電力消費の推定、CO2排出量の可視化など)を活用したWeb-APIやナビSDKを開発します。これにより、EC配送や商用車の業務効率化に寄与することが期待されています。さらに、ゼンリンの厳選された道路および住宅地図データを活用し、ユーザーにとって使いやすいサービスを提供していきます。
2. 新たなUI・UXの開発
住宅地図データを活用し、顧客固有の情報をシームレスに統合できるモバイルSDKを開発します。この新たなUI/UXにより、各産業分野の利用形態に最適化されたソリューションが提供されます。顧客が求める情報を直感的に手に入れられる環境を整えることを目指します。
3. 環境負荷低減ソリューションの提供
カーボンニュートラルを実現するため、新しいソリューションを開発し、各種車両(ICE・HV・BEV・2輪車)への統合サービスを提供します。これにより、企業の車両管理がより効率的に行えるようになります。
4. 相互ソリューションの販売
パイオニアとゼンリンは、それぞれの販売チャネルを活用し、自社のソリューションを互いに販売します。これにより、両社が補完し合いながら、モビリティに関連するさまざまな課題に対して、総合的な解決策を提供できるようになります。
両社の強み
パイオニア
パイオニアは、車載システムとモビリティデータを用いたテレマティクスサービスを展開しており、モビリティAIプラットフォーム「Piomatix」を中心にしています。このプラットフォームの機能は、ルートの最適化や燃費・電力消費の推定に特化しています。環境負荷を低減するためのクラウドプラットフォーム「Piomatix for Green」も提供し、CO2削減をサポートしています。
ゼンリン
ゼンリンは、高精度の位置情報データを駆使し、地図情報を超えたサービスを展開しています。街の情報を収集し、「時空間データベース」を構築することで、顧客の多様なニーズに応えるソリューションを提供しています。地域ごとの課題解決に向けて、他企業との連携も視野に入れ、新たな産業インフラの構築を目指しています。
まとめ
パイオニアとゼンリンが協力し合うことで、モビリティに関するさまざまな問題を解決するための新たなアプローチが生まれつつあります。デジタル化を進め、持続可能な社会を実現するための取り組みに期待が寄せられています。