OptQC株式会社が光量子コンピュータ開発に向けて出資を受ける
光量子コンピュータへの期待とは
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)によるオープンイノベーション推進ファンドが、光量子コンピュータの開発を手掛けるOptQC株式会社への出資を決定しました。光量子コンピュータは、次世代の情報処理基盤として注目され、特に機械学習や新薬開発、金融リスク管理を含む幅広い分野での活用が期待されています。
近年、量子コンピュータは急速に発展しており、さまざまな技術が商業利用に向けた研究開発が進められていますが、従来の技術には温度管理やエネルギー消費の面での課題が存在します。このような技術的チャレンジに対抗するため、OptQC株式会社は光量子技術を用いた新しいアプローチを開発しています。この開発により、光量子コンピュータは常温で動作し、運用コストや経済性の面でも優位性を持つことができます。
OptQC株式会社の特徴と未来
OptQCは東京大学大学院工学系研究科の古澤研究室の20年以上にわたる研究成果を基に設立されました。その光量子コンピュータは、特別な環境を必要とせず、既存の情報処理技術とは異なり、大規模な量子ビット数を効率的に拡張できます。この特性により、スケールアップが容易で、超高速計算を実現します。
同社は2026年4月に商用機の公開を予定しており、アカデミアや企業に対して、クラウドまたはオンプレミスでの利用を可能にします。この提供を通じて、シーズから実用的な解決策を生み出す環境を整えることを目指しています。
出資を通じて、東大IPCはOptQCの技術開発や人員体制の強化を支援し、光量子コンピュータの実用化を共に推進していく方針です。
高瀬寛氏のコメント
OptQCの高瀬寛CEOは、「東京大学による支援を受けたことは、我が社にとって非常に重要な意味を持つ。これは単なる投資ではなく、長期的なパートナーシップだ」と語ります。そして、OptQCは「日本発の光量子コンピュータが将来的に世界をリードする」との強い意気込みを持っています。これからの事業の成長には、動く力強い形での成長が求められています。
資金調達とオープンイノベーション
OptQCへの出資は、グローバル・ブレイン株式会社やデライト・ベンチャーズ、科学技術振興機構との共同投資として実現しました。このような連携は、アカデミアと産業界の協同による新たなビジネスモデルの創出を目指しています。
また、AOI1号ファンドは、東京大学周辺でのオープンイノベーションを推進しており、特に企業とアカデミアの連携を通じて新しいベンチャーの育成に寄与しています。今後も各業界の先駆者たちと連携し、次世代の情報技術産業を創り出すことを目指しています。
まとめ
OptQC株式会社は、東京大学とのパートナーシップを利用して光量子コンピュータの商用化に向けた道を開こうとしています。これにより、日本は次世代技術分野での地位を確立し、世界に貢献できる可能性があります。今後の展開に期待が寄せられています。