アートと持続可能な未来を考える
2025年10月11日、大阪・関西万博の会場内において「いのち宣言」および「103のアクションプラン」が公開されました。この動きは、いのちを「かんじる」ことを基盤とし、アートを活用して多くの人々の心に響くメッセージを届けることを狙いとしています。このような取り組みを通じて、自然と調和しながら持続可能な社会を築いていくことを目指しています。
いのちの感覚を育むアート
アートは創造力と想像力を育む重要な手段として注目されています。困難な状況を突破し新たな未来を切り開くために、私たちが抱く「創造力」はアートを通じて強化されます。同時に、他者や社会を思いやる気持ちを育む「想像力」もアートの力によるものです。
南アフリカのブロンボス洞窟にある約7万3000年前の幾何学模様や、世界各地の洞窟壁画が示す通り、アートは人類の歴史と共に歩んできました。また、現代においても、アートの力によって都市や社会が再生されています。日本では、瀬戸内海沿岸地域におけるアートを用いた振興策が大きな注目を集めているほか、オーストリアのリンツが文化・芸術機関によって未来志向の都市として評価された事例があります。スペインのビルバオでは、グッゲンハイム美術館が地域の再生を促す大きな要因となりました。
アートの力とStudy:大阪関西国際芸術祭
2022年から、大阪関西国際芸術祭実行委員会は、「アートの力」を信じ、未来社会を形成するために必要なアートと人々、社会の関係を深層的に探求する「Study:大阪関西国際芸術祭」を実施してきました。そして、2025年の万博との連携により、世界各国から参加する約100組のアーティストによる展覧会が計画されています。この芸術祭では、アートがもたらす「ソーシャルインパクト」に焦点を当て、全13か所でパブリックアートを展開する予定です。
クリエイティブ・エコノミーの推進
本芸術祭は、文化振興だけでなくクリエイティブ・エコノミー(文化芸術、デザイン、広告など知的財産に基づく産業)を重要な基幹産業と位置付け、新しい雇用や事業創出を目指しています。日韓国交正常化60周年を祝うために、アジアを対象にした国際アートフェアも開催され、多様なアートが結集しています。また、アートと科学、テクノロジーなどの異分野の知恵を統合し、地球規模で未来を考えるためのシンポジウムも予定されています。
持続可能な社会を目指して
今後、いのち会議はアートを通じた創造力や想像力の流通を促し、持続可能なライフスタイルの確立を目指して様々な組織と協力していく方針です。「Study:大阪関西国際芸術祭」は、2025年以降も発展を続け、国際的な芸術都市となる大阪を育て上げるための重要な役割を担います。
この新たな試みへの興味がある方は、ぜひお問い合わせをどうぞ。この取り組みが持つ潜在能力を感じてみてください。