北日本銀行が評価業務のデジタル化を推進
近年、金融機関における業務プロセスの効率化が求められています。特に、不動産担保評価を行う北日本銀行(岩手県盛岡市)は、その業務における課題を解決するために、株式会社ホームズが提供する『オンライン登記情報システム』と『不動産自動評価システム』を導入しました。
効率化の背景
北日本銀行では、不動産担保評価業務に数々の課題がありました。まず、本部の課題として、営業店からの評価依頼書に記載ミスが多く、修正作業が発生していました。また、評価ができる専門人材の不足により、ノウハウが属人化する傾向にあることも大きな問題でした。さらに、退職するベテラン行員によって、専門知識が失われる懸念もありました。
営業店側でも、評価依頼書を作成するための情報収集に時間がかかり、経験が乏しい担当者にとっては業務が煩雑でスキルが定着しにくいという事情がありました。こうした状況を打開するために、オンラインシステムを活用した業務の効率化が急務とされていました。
システム導入のメリット
今回導入されたシステムでは、従来の多くの作業が自動化され、評価業務をよりスピーディーに行うことが可能となります。特に、手入力作業を減らし、誰でも簡単に扱える仕組みが整備されたことで、スムーズな業務運営が期待されています。データの共有が容易になり、従来は行内メール便で行われていた紙のやり取りも廃止されました。
導入の動機
このオンライン登記情報システムと不動産自動評価システムを選んだ理由は、使いやすさ、精度の確保、業務のスピードアップにあります。システム設計段階で北日本銀行の評価要領が反映されており、内部基準との乖離がないため、精度の高い評価が実現できることが重要視されました。
また、評価算出までの作業が4ステップに簡素化されわずか約5分で完了するため、営業店では査定結果を迅速に受け取ることができるようになります。これにより、顧客に対するサービスの向上が期待されています。
北日本銀行のコメント
北日本銀行の審査部調査役である伊五澤和義氏は、『不動産担保の分野において聖域化していた部分があったが、クラウド化の必要を感じた』と語ります。オンライン登記情報システムを通じて得られたデータを活用することで、効率化が進むことを期待しています。
今後の展望
今後、システムで出力された情報を後続の担保評価システムに自動連携させることで、評価算出から担保評価への登録までを完全に自動化する予定です。この進展により、金融業界全体が次世代型の業務体制に向けて進化することが見込まれています。
株式会社ホームズについて
株式会社ホームズは、法律のシステム化をコンセプトにした企業で、平成4年に設立されました。司法書士のアイデアとAI技術を基盤に、各種システムを提供し、業務効率化に大きく貢献しています。この度の不動産自動評価システムもその一環です。
今後も、北日本銀行とホームズ社の連携により、金融業務のデジタル化は加速していくでしょう。地域の経済活動を支える重要な役割を担っている両者から目が離せません。