指輪型デバイスで現場スタッフの体調を見守る取り組み

新たな時代の体調管理

滋賀県に拠点を置くGovTechイノベーションズ株式会社と有限会社アナログエンジンが、家庭や事業所から出るごみの収集管理システム「GoMeシリーズ」に、指輪型デバイスであるスマートリングを正式に組み込むことを発表した。このシステムは2025年11月から実施される予定で、現場作業員の体調をリアルタイムで把握できる新しい試みである。

スマートリングの役割

このスマートリングは、スタッフが現場で作業を行っている際の心拍数、体温、活動量など、健康に関するデータを収集し、車載タブレットを通じて本部に送信する。これにより、体調の悪化を早期に察知して、必要な対策を講じることが可能になる。特に近年注目されている熱中症や酷暑の影響を軽減するため、従業員の健康管理はますます重要視されている。

法律の改正を背景に

2025年6月には労働安全衛生規則が改正され、特に暑熱環境下の作業においては事業者に対する監視体制の強化が求められるようになった。ウェアラブルデバイスによる体調管理は義務化されていないが、現場の迅速な対応能力を向上させるためには、こうした技術の導入が不可欠だ。先行して導入されていたスマートウォッチは、位置情報の把握やジェスチャー入力機能を備えていたが、業務ごみ収集分野では「体調モニタリング」が優先される傾向が見られた。

体調モニタリングの利便性

もし心拍数が上昇したり、休憩を取っていないといった条件が満たされると、システムがアラートを発生させ、本部及び現場の責任者に即座に通知を送信する仕組みだ。この情報の流れはBluetooth LEを経由してタブレットからクラウドへと送られ、圏外でもタブレットが情報を一時保存し、再接続時に自動で更新されるというシンプルな設計となっている。