日本初の「3D積層造形によるモノづくりプロセスのモデル化」という成果を発表
2021年5月17日、近畿経済産業局が主催する「Kansai-3D実用化プロジェクト」の成果発表会が行われました。日本各地の企業が集まり、最新の3D積層造形技術を活用したモノづくりの新たな展望が提示されました。この発表会は、事前登録制でオンライン配信され、参加者は動画配信を通じて情報を得ることができました。
プロジェクトの背景
このプロジェクトは、突然変化するモノづくりの世界で、3D積層造形技術を用いて新たなプロトタイプを生み出し、革新的な製造プロセスを構築するために立ち上げられました。近畿経済産業局では、産学官連携のネットワークを活用して、日本のモノづくりを刷新する取り組みを進めています。
開催内容と講演内容
発表会では、プロジェクトの概要説明から始まり、その後7人の専門家による講演が行われました。各セッションでは異なる分野からのアプローチが示され、参加者はさまざまな視点からモノづくりの未来を考えることができました。
- - 講演1: 金属粉末積層造形装置を用いたポリアミド樹脂フレーム金型の導入及び検証について、株式会社前澤金型の井上治氏によって説明されました。
- - 講演2は、航空宇宙部品製造プロセスにおける添加製造の活用についてAeroEdge社の井本貴之氏が語りました。
- - 講演3では部品開発におけるAM製造の比較が株式会社因幡電機製作所の斉尚樹氏により行われ、製造過程のさまざまな局面が紹介されました。
- - 講演4: 自動車部品への適用検討と題して、丸栄工業の新保博茂氏が最新技術を説明しました。
- - 講演5では、アルミ鋳物の精度向上とコスト削減に関する取り組みを岡田シェル製作所の岡田将武氏が発表しました。
これらの講演に加えて、休憩を挟んで次に続く様々な講演が行われ、参加者はリアルタイムで最新情報を得ることができました。
パネルディスカッション
発表会の締めくくりには、パネルディスカッションが開催されました。「日本のAM(Additive Manufacturing)の発展」というテーマで、デジタルトランスフォーメーション(DX)を含む様々なトピックが議論されました。このセッションでは、AMの付加価値を引き出す新しいデザイン手法や次世代のAM素材開発の重要性に焦点が当てられ、業界の最新動向を探る貴重な機会となりました。
3D積層造形の将来性
Kansai-3D実用化プロジェクトは、今後も3D積層造形を活用した新たな製造プロセスの開発や普及に向けて活動を続ける予定です。特に全国700社を超える会員企業が参加し、活発な情報交換が行われていることからも、このプロジェクトの拡がりが感じられます。
この成果発表会は、モノづくりにおける3D積層造形技術の重要性を再認識させるものであり、今後の技術革新に期待が寄せられています。参加者は、自社の製造プロセスに役立つアイデアや具体的な事例に触れることで、さらなる成長につなげることができるでしょう。
まとめ
Kansai-3D実用化プロジェクトは、日本のモノづくりに革命をもたらすべく、さまざまな企業が集まり力を合わせて取り組んでいます。今後も継続的な成果発表と情報交流が行われ、企業間の協力によって、より高度で柔軟な製造プロセスの確立が進むことが期待されます。