新しい時代の幕開け:佐賀市のゼロカーボンシティへの挑戦
2025年7月3日、東京ビッグサイトで開催された「自治体・公共Week 2025」において、佐賀市長の坂井英隆氏と田中鉄工株式会社の村田満和CEOのパネルディスカッションが行われました。このイベントでは、佐賀市が推進する先進的な脱炭素型の取り組みについて、多くの関心が集まりました。
佐賀市の進化するGX事業
佐賀市は、ゼロカーボンシティの実現に向けた独自のGX(グリーントランスフォーメーション)事業を展開しています。このGX事業の中心には、世界初のCO₂回収・利用技術(CCU)を備えた清掃工場があります。従来の「迷惑施設」とみなされていた清掃工場を、炭素資源を新たなエネルギーハブとして redefined し、地域社会での利用を可能としました。
この新たな取り組みでは、清掃工場から発生する廃棄ガスをCCU技術を使って資源として活用し、地域で育てられた野菜や藻類の生産に活かされる予定です。また、清掃工場を脱炭素農業の拠点にすることで、地域の活性化にも寄与することが期待されています。
更に、この取り組みは世界初となる認証を取得した事例であり、農業の持続可能性や地域創生に向けた新たな動きを示しています。
産官学連携によるダイナミックな成果
「一般社団法人バイオサーキュラーエコノミー協議会」には約90社が加盟しており、藻類の培養技術やCO₂の固定技術の研究、使用済み天ぷら油の利活用といったプロジェクトを進めています。これにより、バイオマスサーキュラーエコノミーの実践が実現し、確かな成果が見えてきています。
田中鉄工の強い支援
田中鉄工は、企業版ふるさと納税を活用して佐賀市のゼロカーボン化に向けた取り組みを支援しています。これにより、地域の脱炭素化とゼロカーボン実現に寄与し、道路舗装業界全体にも広がりのある動きをもたらす意向です。
特に注目すべきは、田中鉄工が廃食油を道路舗装に利用する「Roa(d)cal SDGs Project」です。このプロジェクトは、地域の家庭や飲食店から発生する廃食油をアスファルト製品の燃料に変換し、地域の道路や歩道に還元するという革新的なスキームを構築しています。これにより、地域で生成されたエネルギーが循環し、地球環境への負荷を軽減することが目指されています。
田中鉄工について
田中鉄工は、1918年に創業したアスファルトプラントメーカーであり、佐賀県三養基郡基山町に本社を構えています。国内に15の拠点を持ち、従業員は約200名。売上高は2025年3月期では約64.6億円に達すると見込まれており、脱炭素や地域創生への多様な取り組みで高い評価を得ています。
これらの努力が、地域コミュニティや環境に持続可能な影響をもたらすことが期待されており、今後も注目される企業として成長を続けることでしょう。
おわりに
佐賀市のゼロカーボンシティと田中鉄工による地産地消型の取り組みは、地域の未来、新しい経済モデルの提案としてますます注目されています。持続可能な社会の実現に向けて、今後もその動きに目が離せません。