魚鱗癬と闘い続ける少年の物語
三重県松阪市に住む小学2年生の濱口賀久くんは、希少な皮膚の難病「道化師様魚鱗癬」と日々戦っています。この病は、30万人に1人と推定される非常にまれな疾患で、全身の皮膚が魚のウロコのように剥がれ、激しいかゆみを伴います。
家族の絆と苦悩
賀久くんの母、結衣さんは出産時に「私は、何を産んだの?」という驚きと戸惑いをブログに綴っており、その後の家族の苦悩も語られています。この病気は見た目から人々の偏見を招き、両親は「虐待しているのではないか」との誤解に何度も直面しました。このため、彼らは魚鱗癬に対する理解を広めるため、ブログやメディアへの出演を積極的に行ってきました。
メディアの力
CBCテレビは、2020年から賀久くんの家族を密着取材し続けており、魚鱗癬が引き起こす生活上の困難についても詳しく紹介しています。日光に長時間当たれないことや、入浴時に訪れる激しい痛み、肌の保湿が難しいといったルーチン・ライフにおける数々の制約が、彼の生活を大きく左右しています。これらの状況をドキュメンタリー形式で配信した結果、その動画は累計1億7000万回以上も再生され、全国的な認知を促す一因となりました。
誹謗中傷とその影響
一方で、SNSでは賀久くんへの誹謗中傷が相次ぎ、一部は法的措置に至る事例もありました。人々の無理解がもたらす悲しみも浮き彫りになっています。それでも、賀久くん一家は前を向き、絆を強めながら日々を生きています。
受賞と評価
取材活動の成果は、2022年に民間放送連盟賞特別表彰部門や第59回ギャラクシー賞「フロンティア賞」を受賞するなど、広く評価されています。さらに、5年間という長期にわたる取材を通じて、彼らがどのような気づきを得たのかが明らかにされていきます。
番組紹介
この壮絶な闘病記録は、2025年3月30日(日)に放送される「がんばろう。がく ~30万分の1の運命」で視聴者に届けられます。放送は深夜25時32分から26時35分まで、CBCテレビで予定されています。詳細は番組の公式HPで確認できます。公式YouTubeチャンネルでも、関連する動画が視聴可能です。
この番組を通じて、誰もが知っておくべき魚鱗癬という病の現実と、その闘いを続ける少年の力強いメッセージが多くの人々に伝わることでしょう。