新しい海洋教育を提案する書籍
一般社団法人3710Lab(みなとラボ)がこのたび出版した書籍『海を見ているたくさんの目/聞こえてきた海』は、海と人の共生をテーマにした新たな教育モデルを提供します。代表理事の田口康大氏が、写真家の津田直氏と共に取り組んだこのプロジェクトでは、根室市立おちいし義務教育学校の5、6年生と共に行ったプログラムの実績をまとめています。
プログラムの背景
本書は、海を学ぶ重要性を強調し、自然とどう向き合うべきかの新しい視点を提供します。北海道のオホーツク沿岸から根室沿岸にかけて、フィールドワークを行い、地域の自然環境への理解を深めることを目的としています。この活動を通じて、自然とのつながりを再認識し、特に海と森の関係に焦点を当てました。
特に、かつてオホーツクに住んでいた人々の視点を取り入れ、彼らがどのように自然と共生していたのかを探ることが、本書の中核にあります。「教育」として大切なことは何かを改めて考えるきっかけを提供します。
プログラムの成果とは?
夏と冬の2回にわたって行われたプログラムの様子は豊富な写真とともに収録され、子どもたちの成果物も紹介されています。参加した子どもたちは、青年期の学びの中で大切な経験を得て、自然の中での遊びや創造的な活動を通じて育まれた感性や知識を示しています。
大事なのはつながり
3790Labでは、自然を分断せず、全体の中で感じ取ることが重要だと考えています。従来の教育では、自然を部分ごとに学ぶあまり、森、川、海、そして人間とのつながりが見えづらくなってしまう現状を懸念しています。そのため、各要素を総合的に感じ取ることで、自然との親しみを深め、今後の共生へとつなげることが大切です。
本書には、人類が自然や海とどのように関わってきたかの歴史的経緯も含まれており、これからの教育や共生のあり方の手がかりを示しています。読者にとって、教育の未来について考えるきっかけとなることを期待しています。
書籍の詳細
書籍は44ページで構成されており、企画・監修・執筆は田口康大と津田直、編集は小倉快子が担当。海洋教育のカリキュラムや、ワークショップで制作した子どもたちの作品も含まれています。
本書の発行は、2024年3月24日、定価は1,650円(税込)です。日本財団の助成を受けて制作されており、今後、みなとラボのウェブストアでの販売が予定されています。また、自らの店舗で本書を取り扱いたい方も募集しています。特典がありますので、ぜひこの機会にご参加ください。
この書籍は、未来の子どもたちが直面する環境問題や社会課題に対して、どのような教育が必要かを考える良い参考となるでしょう。皆さまのご関心をお待ちしております。