日本の物流業界が2024年に直面する深刻な人手不足問題は、今や避けられない現実です。これまで、海外からの人材受け入れは行われてきましたが、その多くは単発的なインターンシップに終わることが多く、実務能力や日本語能力のミスマッチが課題となっていました。こうした背景を踏まえ、2026年1月にインドネシア総合研究所(以下、インドネシア総研)と、TDGホールディングス、そしてインドネシア運輸省管轄のPTDI-STTDが、物流人材育成に関する覚書(MoU)を締結しました。これは、単なる人材紹介にとどまらず、日本の産業ニーズに基づいた教育エコシステムの構築を目指したものです。
このMoUの最大の特徴は、PTDI-STTDのようなインドネシアの教育機関と直接的に連携する点です。これにより、学生は日本の産業界が求める専門的な用語や安全管理基準をカリキュラムに組み込みながら学ぶことができ、来日後すぐに即戦力として活躍できる人材に成長します。
このプロジェクトにおける各社の役割について詳しく見てみましょう。TDGホールディングスは、日本国内での実務に即したハードスキルの教育や、企業とのジョブマッチングを担当します。一方で、インドネシア総合研究所は、日本語教育やカリキュラムの開発を行い、全体計画の運営を担います。PTDI-STTDは、優秀な学生の選抜や基礎教育を行い、インドネシア国内の複数キャンパスでのネットワークを利用して教育を進めます。
これらの取り組みは、従来の外国人材採用ルートと比較すると、教育の質や再現性、定着率において大きな利点を持っていることが明らかです。従来モデルでは、未経験者が多く、帰国前提の採用が一般的でしたが、今回の取り組みでは、専門校を卒業した学生を中心に採用され、キャリアパスも明確になる見込みです。
他社の動向とも比較すると、日豊高速運輸などがドライバー教育のeラーニングを推進している一方で、本プロジェクトは教育からの参画を重視しており、その独自性が際立っています。
今後、このMoUに基づいて実務契約が締結されることが期待され、具体的なカリキュラムの策定やパイロット生の選抜が進められる見通しです。「日本・インドネシア間の持続可能な人材循環モデル」の実現に向け、教育機関、産業界、政策が一体となって取り組むことが求められています。
株式会社インドネシア総合研究所は、インドネシアに特化したビジネス支援を行っており、調査やコンサルティング、通訳翻訳などを通じて、クライアントのニーズに応えています。今後の展開に注目です。