出版流通の新たな一歩:RFIDタグの導入について
株式会社竹書房と株式会社双葉社は、出版業界の流通効率を向上させるため、RFID(Radio Frequency Identification)タグの挿入を開始しました。これは、株式会社PubteXが供給するもので、対象刊行物にタグを挿入することにより、書店や販売会社など参加する全ての関係者のニーズに応えることを目的としています。出版業界全体の発展に貢献するこの取り組みは、今後の流通形態に新しい風を吹き込みます。
RFIDタグの仕様
今回挿入されるRFIDタグは、しおり型として設計されており、印刷所で対象の商品と挟み込む形で出荷されます。タグにはランダムなIDが記録されますが、商品に関連する情報は保存されません。これにより、プライバシーの保護が一層強化される仕組みとなっています。
対象刊行物
竹書房が2025年7月に発売予定のコミックスや、双葉社が2025年8月以降に刊行予定のアクションコミックスが対象です。これらの作品には、RFIDタグが挿入される予定で、今後数タイトルが予定されています。
書店様への影響
書店関係者においては、RFIDタグの挿入による取り扱いへの影響はありません。通常通りの販売や返品が可能で、RFIDタグを抜く必要もありません。販売時には、従来通りバーコード(ISBN/書籍JAN)を使用して取り扱うことができます。この導入によって、商品の品質には一切の制約が生じず、RFIDタグが挿入されていない商品が不良品となることはありません。
RFIDタグの破棄について
お客様によるRFIDタグの破棄は、「家庭一般破棄物」として扱われ、各自治体の規則に従って処理されることが推奨されています。これにより、環境にも配慮した形での廃棄が可能となります。
盗難防止ゲートとの関係
RFIDタグの導入によって、書店に設置されている既存の盗難防止ゲート(EASゲート)は影響を受けません。RFIDとEASでは異なる周波数を使用しているため、ゲートが鳴動することはありません。しかし、RFIDタグとEASタグが密着してしまうと、電波干渉が生じて認識不可となるため、注意が必要です。RFIDタグは、ページの中央部またはのど付近に挿入されるため、間隔を空けてEASタグの装着が推奨されます。
今後の展望
今後、RFIDタグの活用方法や流通管理業務の効率化に関する検証を進めていきます。書店様や出版流通に関与する全ての皆様に、最適な利用法を提供することを目指します。今後とも、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。