令和7年連合第19回定期大会に出席した石破総理の挨拶内容とは？

令和7年連合第19回定期大会の意義

令和7年10月7日、都内にて開催された日本労働組合総連合会（連合）の第19回定期大会に、石破茂総理が出席した。この大会は、労働者の権利と賃金向上についての重要な話題が取り上げられる場として、毎回注目を集めている。今回の挨拶で、石破総理は賃上げと地域間格差の縮小をテーマに盛り込み、持続可能な経済成長の必要性について触れた。

石破総理の挨拶のポイント

石破総理は、挨拶の中で「賃上げこそが成長戦略の要」と強調した。物価上昇に対抗するためには、賃金の上昇が不可欠であると述べ、その実現に向けた政府の取り組みを報告した。特に、今年の春季労使交渉では、高水準の賃上げが実現したことを指摘。この結果として5.25%の賃上げが実現し、93年ぶりの高水準となった。

また、労働組合のない労働者も含めた最低賃金の引き上げが行われ、全国加重平均で1,121円、過去最大の引き上げ額66円となった。特に、賃金水準の低い地域では、8.0%という大幅な引き上げがなされ、地域間の格差是正に寄与する影響を持つとのことだ。

人口減少への対応

石破総理は、労働問題におけるもう一つの重要課題である人手不足と人口減少についても言及した。彼は、「今が2025年だが、このままの傾向が続けば、2100年には日本の人口は半分に、さらに300年後には423万人にまで減少する可能性がある」と警告した。これはただの数字ではなく、私たちの未来を左右する重大な問題であると訴えた。

さらに、彼は地方創生の重要性を強調し、特に若い世代に地方を選んでもらうための施策を進めていく必要性があると述べた。行政と民間企業、教育機関などが連携することで、地方の活性化が図られなければならないと主張した。

ジェンダー問題と労働環境の改善

また、ジェンダーギャップの解消についても言及。日本はOECD加盟国の中で男女の賃金格差が3番目に大きく、女性の管理職登用数が14%にとどまっている現状を認識している。これを受けて、男女平等な社会を形成するための取り組みが必要であると考えている。

石破総理は、過去の話を交えながら、自身が大学時代に読んだ作品や歴史的背景を振り返りながら、現在の労働環境の問題点を明確にした。労働者への配慮や、組織されていない労働者の権利擁護の重要性を再確認し、労働組合の役割の重要性を訴えた。